文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

脛を見せるのは「教養がない」

 日本ではスーツを着用する時も、長さがふくらはぎくらいまでの靴下を履いている人を数多く見かけます。若い人だとスニーカー用の靴下を履いているケースもあります。実は、これはマナーの点でよろしくないということをご存知でしょうか。

 スーツの本場英国や海外の多くの国では、脛を見せることは「教養がない」と捉えられてしまいます。

 脛を見せるのは恥ずべきことで、多くの場合、ひざ下くらいまで長さがあるロングホーズと呼ばれる靴下が選ばれます。足を組んだり、立ったり座ったりするときも、脛を見せてはいけないというのが基本なのです。特に、エグゼクティブになるほど、こうした細かい部分にも気を遣っています。

 長い靴下はマナーの点だけでなく、機能的にも優れています。ズボンの生地と足が直接触れないので、まとわりついたり生地が擦れたりするのを防ぐことができる上、秋冬のシーズンはステテコなどを履かなくても十分暖かくなります。

 夏場は暑そうなイメージがありますが、意外とそうではありません。汗を吸収するので、ベタベタせずに短い靴下を履くよりむしろ快適です。ロングホーズであれば、長時間履いてもずり落ちてこないのも嬉しいところです。

 ロングホーズが正しいマナーというのは、実はスーツ専門店の店員などでも知らないことが多いのです。エグゼクティブを目指す読者の皆さんには、ぜひ押さえておいていただきたい知識だと思います。

ネイビーの無地は合わせやすい

 日本で短い靴下が好まれるのは「靴下」という呼び方も影響しているのではないでしょうか。どうしても、ファッションとしては二の次、三の次に考えられているようです。ロングホーズまではいかなくても、長めの靴下を履いている中高年世代が昔は多かったことも、どこか「オジサン臭い」というイメージを定着させてしまったのかもしれません。

 スーツの時に履くのであれば、色として使いやすいのは黒や茶色の靴に合わせやすいネイビーの無地です。黒でも構いませんが、茶色の靴を履いた時に色のメリハリがつきすぎるというデメリットがあります。ネイビーのロングホーズを2,3足持っていれば履き回しが効きます。

 余裕があれば濃い茶色や、ジャケットスタイル用に柄物を持っていても良いでしょう。基本的には、靴かズボンの色に合わせれば大丈夫です。

吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真靴下に関しては、意外と男性より女性のほうがよく見ているものです。スーツも靴もばっちり決めているのに、間違った靴下を履いて評価を落とさないように気を付けましょう。

 (よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

 

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