政治・経済

パイロット養成課程の高額負担を無利子奨学金で補助

 国土交通省は11月下旬、私立大学などパイロット養成課程の学生らに対する無利子貸与型奨学金を創設したと発表した。

 2018年度から運用を始める。高額な学費が養成のネックの一方、政府が成長戦略の柱に位置付ける訪日外国人客数の底上げには航空路線の充実が不可欠で、官民一体でのパイロット確保を進める。

 創設された奨学金「未来のパイロット」は新設される一般社団法人「航空機操縦士育英会」が運営。育英会を立ち上げた桜美林大や東海大、日本航空大学校など6団体のパイロット養成課程の履修者に対し、1人500万円を操縦訓練が始まる2年次以降に1~3回に分割して貸与。卒業後10年間で返済する。

 パイロットを目指す学生らが6団体に奨学金を申請し、金融会社から6団体に訓練費などとして支払われる仕組みで、1学年につき1団体3~5人、計約25人の学生を選ぶ。日本航空やANAホールディングスも債務保証費用の半額を受け持つ形で参加する。

 パイロット養成過程の学費は1500万~2千万円が掛かる一方、経済的支援の枠組みは限られ、高額な負担を理由にパイロットを諦める学生も多い。

 ただ国内航空会社17社のパイロット約6400人のうち、45歳以上は約54%を占め、将来の大量退職が懸念される。一部の航空会社ではパイロットの退職を理由に運休が出るなど、パイロット養成は待ったなしの状況となっている。

 国交省は訪日客数の政府目標を達成するための増便を勘案すると、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年に年間380人、その10年後には430人の新規採用が必要と見込む。格安航空会社(LCC)の増加も背景に、国際的なパイロット争奪戦も過熱している。

 今回の奨学金制度はパイロットの裾野拡大に向けた一里塚といえるが、今後は国内航空会社の就職を加速させるインセンティブ作りも求められそうだ。

 

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