経済界大賞

 日本経済はここにきて大きく上向き始めた。消費者物価こそ、日銀が目標にする2%には遠く及ばないが、それでも毎年のように物価が下落する状況ではなくなった。

大賞榊原定征 日本経済団体連合会会長

大賞
榊原定征 日本経済団体連合会会長

 20年に及ぶデフレの出口が見え始めた背景には、政界、経済界がタッグを組んで、日本を挙げてデフレ退治に取り組んだ結果だ。榊原定征・経団連会長は、安倍首相のパートナーとしてその役割を果たしてきた。

 例えば経団連会員企業は、2017年まで4年連続で2%台、金額にして7千円台の賃上げを行ってきた。

 この賃上げには、安倍首相の強い要請があった。これをもって「官製春闘で企業が政府に押し切られた」とも言われたが、個人消費を増やすことがデフレ脱却につながることは全国民の共通認識だ。そのための最大限の努力を、榊原氏は会員企業に求めている。

 政治と経済は不可分の関係だ。それだけに、経済界が自らの要求を政治に飲ませるには、単に主張するだけでなく、政治の要求も取り入れながら二人三脚で進む必要がある。その意味で、安倍首相と榊原会長の関係は、歴代のどの首相〜会長の関係よりもうまく機能しているといっていい。

 もうひとつ榊原会長を評価できるのは、ダイバーシティや働き方改革など、日本の課題に積極的に取り組んだことだ。17年5月、経団連審議員会副議長に吉田晴乃・BTジャパン社長と浅野邦子・箔一会長の2人が加わった。経団連の役員に女性が選ばれたのはこれが初めてで、榊原会長自ら推薦した。日本の活力アップには女性の活躍が不可欠だが、経団連自らその社会的要請に応えた形だ。17年2月から始まったプレミアムフライデーにしても、働き方を見直し、さらには消費拡大につなげようと経済界が音頭を取った。

 このように榊原経団連の3年半は、日本経済再生に全力で取り組むと同時に新しい働き方などを推進してきた。残る任期はあと半年。インタビューでは「イノベーションをさらに推進したい」と語っていたが、そのバトンを受け継ぐ後継者選びも佳境を迎えている。

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