政治・経済

 日英両政府は2017年12月13日、人工衛星の破片などの宇宙ごみ(スペースデブリ)の低減で協力する覚書を締結した。対策に取り組む企業を評価し、資金調達や損害保険で優遇する仕組みづくりを主導する。

 宇宙ごみの増加は自動運転やビッグデータの活用などに不可欠な宇宙開発を妨げになっており、除去事業に参入する企業を増やし、産業育成につなげるのが狙いだ。経済産業省と英国のビジネス・エネルギー・産業戦略省が同日、東京都内で「日英産業政策対話」の初会合を開き、調印した。

 人工衛星が宇宙ごみにならないような取り組みを評価し、打ち上げ会社などを格付する。具体的には、人工衛星に運用期間が終了すると大気圏に落下して燃え尽きるような装置を取り付けたり、宇宙ごみを回収するための人工衛星を打ち上げたりする取り組みを促す。高評価を受けると、投資を受けやすくなったり、有利な条件の損害保険を契約できるようになる。

 人工衛星は自動運転技術や気象データなどのビッグデータの収集に不可欠だ。小型衛星を打ち上げるベンチャー企業などが立ち上がっており、宇宙産業は成長が現実味を帯びてきている。その成長を阻むのが宇宙ごみだ。    

 衛星軌道上では、物体は秒速7~8キロメートルの高速で移動しており、ネジなどの小さなものでも衝突すれば大事故につながる。

 1度事故が起こると、散らばった宇宙ごみがさらに、ほかの人工衛星などぶつかり、宇宙ごみは加速度的に増えていく。2007年に中国が、ミサイルによって人工衛星を爆破する実験を行い、宇宙ごみが急増。現在、地上から観測できる10センチメートル程度の宇宙ごみは1万8千個あり、過去10年で2倍に増えた。

 産業政策対話は、昨年8月の日英首脳会談で設置が決まったもので、気候変動対策での協力や最先端の製造業の共同研究などを検討。このほか、英国の欧州連合(EU)離脱の経済影響を緩和する対策などについて意見を交わした。経産省は2月に企業調査団を英国に派遣する。

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