政治・経済

 国土交通省の2018年度予算案は前年度より約102億円増やし、総額5兆8047億円で閣議決定された。

 インフラ基盤整備や防災・減災対策などに重点が置かれ、観光庁予算も過去最大の248億円を計上した。かねてより国交省が掲げる「生産性革命」が政府全体の重点政策に格上げされ、増額を勝ち取った格好となった。

 公共事業関係費では、三大都市圏の環状道路整備などや高速道路のインターチェンジにつながるアクセス道路の整備、LNG(液化天然ガス)燃料船の燃料供給拠点形成の費用を計上。自治体が災害や老朽化、安全への対策に使う「防災・安全交付金」も1兆1117億円に増やした。

 さらに増加が顕著だったのは、年度途中の19年1月から新たに「国際観光旅客税」が財源に加わる観光庁予算。20年に訪日外国人客を4千万人とする政府目標の達成に向け、仮想現実(VR)などを活用した観光コンテンツの開発・育成やビッグデータを使ったデジタルマーケティングなどといった新規事業が目白押しとなっている。

 財政健全化が叫ばれる中で増額にこぎつけられたのには理由がある。政府が持続的な経済成長に向けた看板政策に掲げる「生産性革命」は18年度が今後3年間の集中投資期間で初年度だが、国交省は16年度には既に「生産性革命元年」を掲げて社会インフラの整備を進めてきた経緯があるなど、国交省関連分野の充実は“革命達成”に不可欠なためだ。

 石井啓一国交相は予算案が閣議決定された12月22日の会見で、「国交省の生産性革命は16年度が元年、17年度は前進の年、18年度は深化の年だ。すべての省庁に関係するもので、良いことはどんどん真似していただいて結構だ」と胸を張った。

 ただ、政府が20年の財政健全化目標を断念するなど財政事情は厳しさを増している。国際観光旅客税の使い道など、今後は費用対効果に厳しい視線が注がれる可能性がある。

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