政治・経済

 2017年12月22日に閣議決定した18年度税制改正大綱では、「加熱式たばこ」の税額を18年10月から段階的に引き上げ、5年かけて、現在、紙巻きたばこの1~8割程度の税額を、7~9割程度に引き上げることが決まった。

 この「5年」という期間は財務省が株式の3分の1を保有する日本たばこ産業(JT)を配慮した数字だといわれる。

 加熱式たばこは、煙や灰が出ず、火を使わない利便性や先進性が受け、日本を中心に普及が進んでいる。現在、日本国内で加熱式たばこを販売するのは、JTに加え、米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)と英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の3社だ。

 ただ、市場は14年11月にPMIが日本で発売した加熱式たばこ「iQOS(アイコス)」の一人勝ち状態が続いている。市場シェアは、先行するPMIが80%を占める一方、商品開発で出遅れたBATが15%、JTが5%にとどまる。

 政府とすれば株を保有する国内メーカーのJTを救済したい思いはある。商品の重さに課税する現行方式では、JTの製品は1箱当たり約34円で、アイコス(1箱当たり192円)に比べ6分の1以下。JTにとっては大きなアドバンテージとなっている。

 この優位的な状況をどこまで続けるか。JTと水面下で協議した政府関係者によると「JT側は5年の猶予があれば、アイコスを上回る加熱式たばこの新製品を開発できる」と政府側に打診があったという。

 JTが示したこの「5年」という期間。実は17年12月に妥結した日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)で、日本がEUから輸入している加熱式たばこの関税撤廃までの期間と同じなのだ。現在、加熱式にかけられている3・4%の関税は段階的に引き下げられ、5年間かけてゼロにする。

 偶然か必然か。JTは税に関して5年の猶予期間を与えられた。この期間を要してPMIのシェアを脅かすような商品開発ができるのか注目したい。

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