マネジメント

優れた社員が多い会社から、組織力に優れた会社へと変貌を遂げているDYMは、人材と組織の両輪で全事業を着実に成長させてきた。2018年以降は各事業の幹を太くさせるだけでなく、枝葉を育て多角的な成長を目指すフェーズに入る。

海外医療事業の展開で健康診断を世界に広める

201803DYM_P01

株式会社DYM代表取締役社長 水谷佑毅(みずたに・ゆうき)

 海外での医療事業、ウェブマーケティング事業、新卒紹介事業の3事業を柱とするDYMの成長が止まらない。創業した2003年から14期連続で増収増益を果たし、グループ全体での売上高100億円超えも達成見込みだ。会社全体が、ワンランク上のフェーズに入りつつあると水谷佑毅社長は語る。

 「当社が掲げる『世界で一番社会を変える会社を創る』というビジョンに共感してくれる学生がとても多く、優秀な人材が多く集まってきています。しかし、これまでは優秀なプレーヤーこそ多いもののマネジメント層が薄いという課題がありました。そこで幹部育成に力を注いできた結果、この1~2年で全ての部署に優秀な幹部が育ってきました。マネジメント層が確立してきたことで成熟した組織になりつつあり、今ではどの事業部門も人が増えればその分だけ確実に売り上げが伸びる、という環境が整っています」

 同社には大志を持った人材、上昇志向を持った優秀な人材が数多く集まっている。競争意識が高く、切磋琢磨しながら互いに成長していくのはベンチャー企業に共通の傾向ともいえる。しかし、どんなに優秀でもプレーヤーだけでは企業としての成長には限界がある。社員一人一人の能力だけではなく、組織全体で勝負ができるフェーズに入ってきたことにより、DYMの成長がさらに加速しそうだ。

 「全ての事業分野が成長しています」と水谷社長が語る中で、昨年大きな動きを見せたのが海外医療事業だ。日本では当たり前の健康診断が海外では定着していないことから、在留邦人が安心して暮らすために健康診断を受診できるクリニックを展開。海外医療事業をスタートした地であるタイでは既存のクリニックを買収することで拠点を増やし、現在1万人という受診者が来年には3万人にまで増える見通しだという。昨年10月に香港で新たなクリニックがオープン、今年1月にはアメリカでもオープンした。水谷社長は、日本式の医療機関があることで在留邦人が安心して生活できるため、日系企業も進出しやすい環境になると考えている。

成長し続けるウェブマーケティングと新卒紹介

 創業時からの柱でもあるウェブマーケティング事業も、業界内のどこよりも大きな伸びを見せている。現在はYahoo!JAPANのゴールドパートナーに認定されているが、1~2年のうちにプラチナパートナーの座を獲得するつもりだ。達成すれば、現在最上位のダイヤモンドパートナーである電通、博報堂、サイバーエージェントのビッグスリーに続くポジションとなる。

 「現在のプラチナパートナーはトランス・コスモス、オプト、セプテーニと大手ばかりです。その中に当社が入れば、業界に大きなインパクトを与えるのではないでしょうか」

 同社のウェブマーケティング事業の特長は、わずか2%という解約率の低さだ。それを可能にしているのは人材力で、それも単なる営業力ではないと水谷社長は語る。

 「当社は元気な営業の会社というイメージが強いですが、実はバックヤードを支えている人材に優秀な人間を揃えているのが特長です。特に技術者は優秀で、当社のマーケティングには新たに開発されたAIプログラムが組み込まれています。業界内でも進んでいると自負するこの技術を活用し、顧客のニーズに的確かつ迅速に応えることで、受注数も扱い額も右肩上がりで増えています」

 3本目の柱である新卒紹介事業も絶好調だ。19年新卒は、従来の利用者数10万人が13万人程度まで増加すると見込んでいる。首都圏の人手不足と地方大学生の就活難というギャップを解消するため昨年は北海道に支社を開設、今年1月には名古屋支社を開設するなど、地方大学生の首都圏での就活支援により力を注いでいくつもりだ。

 また、これまでは比較的中堅企業、スタートアップ企業が多かった紹介実績も、新規に上場する企業の採用の多くを同社が扱っているということもあって、上場企業の顧客数も大幅に増えてきている。

 今年は、好調な各事業をさらに進化させていく。

 「医療と新卒紹介に関しては、現在メーンとして取り組んでいるものから派生する枝葉を事業化し育てていくフェーズになると考えています。例えば紹介であれば、既にスタートしている第二新卒・中途人材紹介をより大きな事業としていく。また、医療であればクラウドサービスを事業化していくなど、既にさまざまな枝葉の検討に入っています」

 最終的な目標は売上高1兆円企業になること、と言う水谷社長。そのためには10年以内の1千億円突破が必達という同社は、JリーグのFC東京、バスケットボールBリーグ3部の東京エクセレンスのオフィシャルスポンサーも務めている。

 「企業である以上、売り上げ目標を掲げるのは当然のことですが、それ以上に地域や社会と共に歩み続けることが重要です。これからも社会貢献性の高い事業分野で成長し続けていきます」

 

株式会社DYM

  • 設立/2003年8月
  • 資本金/5000万円
  • 従業員数/392人(連結、2017年4月)
  • 事業内容/ウェブマーケティング事業、医療事業、新卒紹介事業、研修事業、エグゼパート事業
  • 所在地/東京都品川区
  • 会社ホームページ/http://dym.asia

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

金利固定化の方法を知る

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メーン銀行との付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

金利引き上げの口実とその対処法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件に学ぶ 不祥事対応

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

「ブラック企業」という評価の考察

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

コミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

所得税の節税ポイント

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

固定資産税の取り戻し方

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

人を育てる「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手に育成するコツ

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

部下の感情とどうつきあうか

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

“将来有望”な社員の育て方

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

「創造と変革」を掲げリーダー教育事業を展開しているグロービス。未来が予見しづらい混迷の時代を迎え、まさに新たな時代を切り拓いていくリーダーが求められている。そのような状況を受けて、グロービスは昨年、新たに執行役員以上に限定したエグゼクティブ向けのプログラム「知命社中」を開設した。[PR]次世代を担う経営リーダ…

201710_KEIZAIKAI_P043_GLOBIS_CATCH

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポート――中島優太(エベレディア社長)

「日本初」にこだわる男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

新社長登場

一覧へ

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

創業から95年、海外に進出してから50年以上たつ国際派企業の高砂香料工業。合成香料では日本最大手であり、国際的にも6%以上のシェアを持つ優良企業だ。 100年弱の歴史を持つ合成香料のトップメーカー ── まず御社の特徴をお聞かせください。 桝村 1920年創業ですから、2020年に100周年を迎える…

桝村 聡

「ネット広告が変わってもクライアント本位の姿勢は変わりません」--バリューコマース社長 香川仁

「最新情報を発信、人と企業の働く環境を良くしていきます」--マンパワーグループ社長 池田匡弥

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

20150609_INNOV_P02

デザイナーズ家具のEC販売で業界の“常識打破”に挑戦――リグナ社長 小澤良介

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 教育部門と…

大学の挑戦

創立100周年を控えて「世界に貢献し、インパクトを与える人」の育成に努めます――西南学院大学・K.J.シャフナー学長

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

企業eye

一覧へ

不動産の現場から生産緑地の将来活用をサポートする――ホンダ商事

ホンダ商事は商業施設や宿泊施設の売買仲介、テナントリーシングを手掛けている。本田和之社長は顧客のニーズを探り最適な有効活用を提案。不動産の現場から、生産緑地の将来活用など社会問題の解決にも取り組む。── 事業の概要について。本田 当社は商業施設やホテル、旅館の売買・賃貸仲介(テナントリーシング)を…

企業eye

社員の人間力を武器に5期連続増収を果たす投資用不動産会社――パートナーズ

クラウドソーシングを活用した動画制作やオンライン動画制作プラットフォームを提供――Crevo

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年6月号
[特集]
なぜ、あの人についていくのか 求心力の秘密

  • ・松本 晃(カルビー会長兼CEO)
  • ・木股昌俊(クボタ社長)
  • ・迫本淳一(松竹社長)
  • ・水田正道(パーソルホールディングス社長CEO)
  • ・辻 発彦(埼玉西武ライオンズ監督)

[Special Interview]

 永守重信(日本電産会長兼社長CEO)

 売り上げ10兆円を目指す 働き方改革と人材育成の在り方

[NEWS REPORT]

◆不祥事続出でも企業が仮想通貨に群がる理由

◆通信事業親子上場に踏み切るソフトバンクの思惑

◆コーポレートガバナンスの呪縛〜お家騒動はなぜ繰り返されるのか〜

◆欧米名門大学への登竜門 ボーディングスクールが注目される理由

[特集2]

 働き方改革の闇

ページ上部へ戻る