マネジメント

循環型社会を目指し、古紙原料のリサイクル事業から、機密書類の処理と再資源化、紙を用いた新たな可能性を追求したパルプモールド事業の3つを中心に進める栗原紙材。国内発の最先端素材セルロースナノファイバーを用いた新たな商品展開にも取り組んでいる。

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栗原紙材株式会社代表取締役社長 栗原正雄(くりはら・まさお)

 環境への負荷が少ない循環型社会への取り組みは世界の大きな潮流となっている。Eコマースが浸透し、梱包するための板紙の需要の高まりと共に紙への再帰が始まっている。

 「古紙は国際循環しています。アジアから日本に来た輸出コンテナの40%は、古紙を積んで持ち帰ります。そして、再び日本や米国へ消費財を輸出するための板紙づくりの原料に充てているのです」

 日本では循環型社会形成推進基本法が2000年に制定されて以来、資源の再利用について官民を挙げて技術革新や制度整備が行われている。このような動きの中で栗原紙材は、回収した古紙を選別・加工しプレス処理を施した上で、商品化して製紙メーカーに卸している。自治体や企業で焼却処理ができない機密文書の回収から滅却処理を行い、それを再び紙素材の原料とする利活用事業を手掛けている。

 「大量の紙を燃やすことは現在難しくなりましたが、再利用の機密書類をリサイクルに回すような自治体はありません。当社は大手金融機関や電気通信事業者から預かった機密書類を溶解しパルプモールドとして生まれ変わらせています」

 ヨーロッパでは循環社会への意識の高まりを受けて、梱包材や緩衝材として発泡スチロールが用いられることが禁止され、紙の需要が高まった。環境保全に特化した包装緩衝材であるパルプモールドにも大きな期待が持たれている。

 「当社は真空状態にした立体的な金網に、溶解させた古紙を付着させてパルプモールドを作っておりますが、これに鉄の5倍の強度を持つ植物繊維“セルロースナノファイバー”を加えた新商品の開発を検討しています。日本が世界をリードしているこの新素材は、経済産業省も研究会を設けており、また当社も参加している民間企業フォーラムでは互いに特許を公開しながら新しい製品開発への取り組みを進めています」

 栗原紙材は回収した古紙の新たな製品化に力を注いでいるが、競走馬が使うペーパーベッドもその一つだ。使用後は土に戻り環境負荷低減につながっている。

 「PCディスプレイと異なり、目に優しいのも紙の利点ですね。また、ネット通販の拡大によって梱包のための板紙の需要は世界全体で、これからもますます高まっていきます」

 古紙原料専門商社として創業80年を超える業界のパイオニアである同社は、次代を先取りする最新鋭技術を取り入れながら常に進化を遂げている。

 

栗原紙材株式会社

  • 創業/1938年4月
  • 資本金/5000万円
  • 年商/70億円
  • 従業員/320人
  • 事業内容/古紙の仕入れ・販売、書類保管業務および機密文書の情報滅却・再資源化処理。パルプモールドの製造販売
  • 所在地/東京都荒川区
  • 会社ホームページ/http://www.kuriharashizai.co.jp/

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