マネジメント

30年前、循環型社会という言葉すらなかった時代に、ジュエリーリフォームを事業化したエクミス。今や時代が同社に追い付いてきた。同社が次代につなぎ遺そうとしているのは「価値」と「想い」。循環型社会のフロントランナーだ。

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株式会社エクミス代表取締役 山田 悟(やまだ・さとる)

 日本にジュエリー文化が広がったのは、昭和30年代、40年代といわれている。当時から現在までの取引額は60兆円を超えるという数字もある。しかし歴史が浅いせいか、生活の中に定着しているとは言い難い。60兆円の多くは、家のたんすの中で眠っている。そのジュエリーに新しい価値を吹き込み、新たな輝きを与えるジュエリーリフォームを日本で初めて事業化したのがエクミスだ。

 「創業した1986年はバブルが始まった年です。新品ジュエリーが飛ぶように売れた時代で、リフォームなんて誰も相手にしない。でも誰も手掛けていないからこそ、その可能性にかけてみました」と山田悟社長は当時を懐かしむ。当時はまだ循環型社会という言葉すらなかった。しかしその先見性が同社の礎となる。

 「ジュエリーには3つの価値があります。1つは貴金属としての資産価値、もう1つが身に着け使用する価値、最後の1つが当社オリジナルの考えである『センチメンタルバリュー』、想いをつなぐ価値です」

 普段使いされることが少ないジュエリーだが、プレゼントされたり、買ったりした当時の想い出は誰しも心に残っているだろう。

 「石は決して劣化することはない。想い出も同様です。誰しも初めて手にした時の鮮烈な想い出を持っています。それをしまい込んでしまうのはあまりにもったいない。一方でジュエリーデザインにはその時どきのトレンドもあるし、婚約指輪などは装飾性が重視されるため使い勝手が悪いデザインだったりする。それをシンプルで使いやすいデザインにリモデルすることで、新しい価値を与えるのが私たちの役割です」

 創業以来手掛けたジュエリーの数は50万個を超える。この実績は他の追随を許さない。山田社長は、ジュエリーの循環型ビジネスを展開する企業が集う日本リ・ジュエリー協会の会長も務めている。

 「新品の販売量は頭打ちです。一方でリユースは少しずつですが着実に伸びている。リフォームとリユースは一体です。相乗効果で大きな伸びが期待できます」

 あらゆる産業で循環型事業の重要性が増している。ジュエリーをリフォームして新しい価値を創造するのが当たり前という社会の実現を目指しリフォーム文化の普及に努めていく。

 

株式会社エクミス

  • 創業/1986年10月
  • 資本金/1200万円
  • 売上高/12.3億円
  • 社員数/55人
  • 事業内容/宝石・貴金属の製造、卸売業、宝石・貴金属および宝飾品リフォームによる各種催事の開発、導入、宝飾品リフォームシステム『SV Stage』の開発、販売
  • 所在地/東京都台東区
  • 会社ホームページ/https://www.ecmis.jp/

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