文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

スーツにスニーカーは合わせ方を間違えると諸刃の剣に

 昨年、文部科学省の外局であるスポーツ庁が、スニーカー通勤を推奨するというニュースがありました。ひょっとしたら、スーツにスニーカーを合わせる時代が、これから来るのかもしれません。

 ひと言で言うならとても難しいコーディネートです。もともと健康増進のために打ち出されたプロジェクトなので仕方ない部分はありますが、ファッションに関する難易度という点まではあまり意識されていないようです。

 スーツにスニーカーは、合わせ方を間違えると全くお洒落に見えないだけでなく、非常にカッコ悪くなってしまう、諸刃の剣です。

 なぜなら今までは、スーツは勿論スニーカーに関する知識も持つ一部の上級者が、バランスを考えて着こなしてきたスタイルだからです。

 これを急に広めようとすると知識の有無による格差が出やすくなります。そのため、格好良い人は格好良くなり、予備知識のない人は微妙になることで見た目格差が広がることが予想されます。どうしてあの人は良いのに、私は違うのだろう?と迷いに迷う人が出てくるでしょう。

 そのため、本日は少しでもそれを防止できる様、予備知識をつけて頂けたらと思います。スーツに合わせるスニーカーの色として、まず手堅いのは白、黒、茶色になります。

 また、機能性を重視したハイテクスニーカーではなく、デザインもシンプルなものがベターでしょう。ただ、スーツの足元がダボついていたりすると、どんなスニーカーでも似合わなくなる可能性があるので要注意です。

革靴の雰囲気に近づけるなら、レザー系のスニーカーを選ぶという手もあります。パット見は革靴でも、靴底がウォーキング機能に優れた素材のものを履く人も増えるかもしれません。

 正直なところ、スーツのシルエットとスニーカーのバランスが重要となるため、はっきりとこのスニーカーなら大丈夫と言うブランドや色があるわけではありません。例えスニーカーが一緒でも体型によってスーツの大きさやシルエットも変わります。

 他の誰かに似合う組み合わせが、必ずしも自分にも合うとは限らないのです。

 政府のスニーカー通勤推奨プロジェクトにより、スーツの常識が崩れる可能性も?

 クールビズと同じく、政府が推奨するプロジェクトなので、これから世の中に浸透していく可能性は大いにあります。そうなると、われわれコンサルタントとしても、これまでの常識とは違う提案をする必要が出てくるかもしれません。

 たとえば、基本的にスーツに白い靴下を履くのはNGですが、スニーカーを合わせてその人に似合うならばOKというケースがあり得るでしょう。いずれにせよ、とても組み合わせのバリエーションが多岐に渉るため現段階で「これはOK、あれはダメ」という断言はしにくい状況です。

 スーツにスニーカーが主流になれば、逆に革靴を履くのが珍しくなるような時代が来るのでしょうか。いずれにせよ、ファッションコンサルタントとして一層研究していかなければならない課題だと考えています。

 スタイリスト 吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真外国人モデルがスーツにスニーカーを合わせている姿を雑誌で見たとしても、その通りにやればOKというわけではありません。あくまで自分に似合うかどうかで決めないと、かなりおかしな格好になってしまうので注意が必要です。

 

(よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

 

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