政治・経済

景気拡大期間、求人倍率、地価―各所で見られる「バブル超え」現象

 

 「実感なき景気拡大」とは言われながらも、日本経済は61カ月連続で拡大を続けている。

 これは1965年から始まったいざなぎ景気を抜いて戦後2番目の長さで、バブル期(86年12月~91年2月)の51カ月より1年近くも長い。

 ほかにも「バブル期超え」の現象が起きている。そのひとつが有効求人倍率で、直近の数字は1.52倍。これはバブル期のピークである90年7月の1.46倍を大きく上回る。

 バブル期も人手不足だったが、今回はそこに人口減少が重なったため、深刻度はそれを上回る。

 昨年春の高校卒業生の就職内定率は97.7%と、91年の97.9%に匹敵する。景気拡大が続いていることから、今年の春に出る数字がバブル期超えとなっている可能性も出てきた。

 地価もバブルを超えた。85年のプラザ合意以降、日銀が低金利政策を打ち出したことで、余剰資金は土地と株に向かう。銀座の鳩居堂前の地価が坪1億円を突破したのは90年のこと、地価はその後も上がり続け、ピーク時の92年には1億2千万円を突破した。

 しかし5年後の97年には3700万円まで値を下げた。その後は上昇に転じ、リーマンショックで再び下落するが、ここ数年、急速に上げ、17年の地価は1億3300万円と、ついにバブル期を超えた。五輪特需により、東京の一等地の価格はいずれも高騰しているが、株価はバブルピークの55%程度にとどまっていることを考えると、地価の突出ぶりがよく分かる。

 

バブル期を彷彿とさせるディスコ復活や高額美術品購入も

 

 バブル時代、社会現象になったディスコといえば「お立ち台」「ワンレンボディコン」「センス」の3点セットを思い出す。しかしバブル崩壊とともにディスコは姿を消し、代わってクラブが台頭していった。

 しかし、ディスコはよみがえった。まずは10年にマハラジャ六本木が復活。その後マハラジャは大阪、名古屋など全国にディスコを開店、多くの客で賑わっている。とはいえ年齢層が若干高めなのが、今と昔の違いとなっている。

 もう一つ、バブル期によく話題になったのが、著名画家の美術品売買だ。

 最初に話題になったのが、安田火災海上保険(現損害保険ジャパン日本興亜)が87年に53億円で購入したゴッホの「ひまわり」だった。さらに大昭和製紙(現日本製紙グループ本社)の齊藤了英社長が、90年にゴッホの「医師ガシェの肖像」を125億円で、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を119億円で購入した。齊藤社長は「自分が死んだら一緒に棺桶に入れてもらう」と言って美術界からひんしゅくを買ったこともあった。

 最近の絵画売買での話題といえば、昨年、スタートトゥディの前澤友作社長がジャン=ミシェル・バスキアの絵画を123億円で購入したことだろう。前澤社長は以前から現代アートを蒐集しており、1年前にもオークションで、やはりバスキアの作品を62億円で落札している。前澤社長は「いずれ購入した絵画を公開する」と語っているが、こうした高額美術品をめぐる動きはバブル期を彷彿させる。

 現代アートの蒐集はベンチャー経営者の間で一種のブームになっているだけに、今後も世間を驚かせる売買が出てくるかもしれない。

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫とは

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

実録! 関西の勇士たち

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

三和銀行の法皇・渡辺忠雄の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第14回)

住友の天皇・堀田庄三の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第11回)

商売の神様2人の友情 江崎利一と松下幸之助

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第7回)

関西財界の歴史―関経連トップに君臨した芦原義重の長期政権

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

【特集】2019年注目企業30

 2018年の日本経済は、世界のマーケットを席巻してきた中国経済の成長鈍化が鮮明になり、併せて米・中の経済摩擦、英国のEU離脱問題などの対外的な課題が重なって大きな閉そく感が漂う年だった。 しかしながら元気な中堅・中小企業はネガティブな要因をものともせず独自の経営手法で活路を開いている。 原点回帰で、顧客第一…

「超サポ愉快カンパニー」としてワクワクするビジネスサイクルを回す―アシスト

ITと建設機械、グリーンエネルギーの3本柱で地球環境問題解決に貢献する―Abalance

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

ペット仏具の先駆企業が「ペットロスカフェ」で目指す癒しの空間づくり

家族のように接していたペットを亡くし、飼い主が大きな喪失感に襲われる「ペットロス」。このペットロスとなってしまった人々が交流し、お互いを癒し合うカフェが、東京都渋谷区にオープンした。「ディアペット」を運営するインラビングメモリー社の仁部武士社長に、ペット仏具の世界とペットロスカフェをつくった目的について聞いた…

元引きこもり青年が「cluster」で創造する新たなVRビジネスとエンターテインメント(加藤直人・クラスターCEO)

日本人の英語学習の課題解決に向け、学習者目線のアプリを開発―― 山口隼也(ポリグロッツ社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年4月号
[特集]
日本の「食」最前線

  • ・総論 日本の「食」から世界の「食」へ 成長産業となった農水・食品産業
  • ・「食」の輸出1兆円を支えるジェトロの役割
  • ・全国で進むブランド化「食」から始まる地方創生
  • ・上海で見た日本の「食」の未来
  • ・海外進出した外食チェーン「成功」と「失敗」の分かれ目
  • ・日本人が知らない中国の「日本食ブーム」の真実
  • ・消費税引き上げで始まる「外食VS中食」最終戦争

[Special Interview]

 星野晃司(小田急電鉄社長)

 「未来を見据えた挑戦で日本一暮らしやすい沿線をつくる」

[NEWS REPORT]

◆中国リスクが顕在化 電機業界に再び漂い始めた暗雲

◆持続可能な水産業へ 魚はいつまで食べられるのか

◆CES 2019現地レポート 家電からテクノロジーへの主役交代が鮮明に

◆相次ぐトラブルで業績悪化 SUBARUの見えない明日

[総力特集]

 2019年注目企業30

ページ上部へ戻る