文化・ライフ

二宮清純の「スポーツ羅針盤」 サッカー日本代表にとって南米勢は天敵である。これまでW杯において1998年フランス大会のアルゼンチン戦(0対1)、2006年ドイツ大会のブラジル戦(1対4)、10年南アフリカ大会のパラグアイ戦(0対0、PKで決勝トーナメント1回戦敗退)、14年ブラジル大会のコロンビア戦(1対4)と4回戦っているが、一度も勝ったことがない。上位進出を狙うには、越えなくてはならない高い壁である。

 約半年後に迫ったロシア大会。初戦の相手は4年前のブラジル大会で大敗を喫したコロンビアに決まった。

 日本は過去、5回W杯に出場しているが、決勝トーナメントに進出したのは02年日韓、10年南アフリカの2大会だけ。いずれも初戦で引き分け以上の勝ち点を得ている。

 つまりロシア大会で3度目となる決勝トーナメント進出を果たすには、初戦のコロンビア戦で最低でも勝ち点1を確保することがマストとなる。

 もちろん、くみしやすい相手ではない。前回大会の得点王MFハメス・ロドリゲスは南米予選でチーム最多の6得点をあげるなど波に乗っている。さらにはケガで前回大会を棒に振ったFWラダメル・ファルカオも今季はフランスリーグで既に15得点(17年12月21日時点)を記録するなど絶好調だ。

 コロンビアは格下の日本から確実に勝ち点3をゲットしたいところだろう。初戦でつまずけば、決勝トーナメント進出に暗雲が漂うことになる。このグループはポーランドとセネガルもゲートインしているが、脱落するのは日本に足を引っ張られた国だろう。

日本人の世界に冠たる順法意識を武器に変えるのも一法か

 話を戻そう。なぜ日本はW杯で南米勢に勝てないのか。南米勢にあって日本にないもの、それはマリーシア(ずる賢さ)だ、という声をよく耳にする。

 しかし、ずる賢さは一朝一夕のうちに身に付くものではない。車が通っていなくても信号を守る国民は世界広しと言えども日本人くらいだろう。夜中、ブラジルの街角で信号を待っていたら、それこそ強盗の餌食になってしまう。

 むしろ、日本人の世界に冠たる順法意識を武器に変えたほうがいいのではないか。日本人がわざと倒れることはない。これは明らかにファウルだ――。レフェリーにそう思わせたほうが日本にとってはプラスだろう。

 元日本代表で現在はイングランド2部・リーズユナイテッドの強化スタッフを務めている藤田俊哉が、こんなことを言っていた。

 「僕は4年くらい欧州に住んでいますが(信号を)待っているのは僕だけだったりする。これは日本人の良いところじゃないか。こういう考えが海外を渡り歩く時にはとても重要なんです」

 ロシアW杯では判定にビデオが導入される可能性が高い。誤審があった場合、レフェリーはピッチ外にあるモニターで問題のシーンを確認する。

 このシステムは“正直者集団”の日本には有利だろう。ピッチのガラス張り化を追い風にしたい。

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