文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

ビジネスシーンにおける印象操作 サスペンダー、ベルトレスパンツの効果

 前回お話ししたベルトより、古い歴史を持つのがサスペンダーです。

 ベルトが普及したのは20世紀に入ってからですが、サスペンダーはそれ以前からありました。今でもタキシードを着る時や、クラシカルな着こなしをしたいときなどによく使われます。

 ベルトだと、どうしてもシャツのお腹周りが少し膨らんでしまいますが、タキシードの場合はズボンを固定して吊り上げるので、よりピシッとした印象になります。

 ある程度がっちりした体型の人のほうが似合う傾向があると思いますが、スリムな人でも着こなし次第で似合いますし、ファッションのアクセントとしても使えるでしょう。ちょっと古くなりますが、テレビ番組の「あぶない刑事」のタカとユージなどは、スリムな体型でもサスペンダーがビシっと似合っていましたね。

 最近では、柄の入った太めのサスペンダーをお洒落アイテムとして着けている人を多く見かけます。ただ、サスペンダーはもともとスポーティなスタイルよりはクラシカルなスタイルに合わせるものなので、普段着に取り入れるのは難しい面もあります。たとえば、Tシャツにサスペンダーをして似合うような人は、かなり限られるでしょう。

 また、ベルトを着ける必要がないベルトレスパンツというものもあります。日本では80年代後半に流行し、海外ではそれ以前の50年代や70年代にも流行ったそうです。

 私自身が一度ベルトレスパンツを試した感想を言いますと、履き慣れるまで最初は多少落ち着かなかったというのが正直なところです。ただ、感覚は人それぞれなので、興味がある方は試してみると良いでしょう。

 ベルトレスパンツの良さは、ベルトループがなかったり、余計な装飾をそぎ落としたりしているため、見た目がスッキリとした印象になることです。サスペンダーと同様に、お腹周りで上着が膨らみにくいのも利点です。

 クラシカルなデザインを楽しむという意味で、サスペンダーやベルトレスパンツに挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。

吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真ベルトレスパンツは今ではなかなか売っていませんし、展示会などでもほとんど見かけることがありません。実際に私がベルトレスパンツを履いていた時、「ベルトはしないんですか?」と尋ねられたことがあります。履くときは、周囲にどれだけ認知されているか、という点も気に留めておいた方が良いかもしれません。

 

(よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

 

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