文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

襟はワイド一辺倒から変化の兆し

 フォーマルファッションの世界では、それほど大きなトレンドの変化が見られるわけではありません。ただ、最近は以前とは少し違った動きも出てきているようです。

 たとえば、オーダーシャツ工場の方などに話を聞くと、ワイシャツの襟の小型化が進んでいるようです。ネクタイを綺麗に見せようという方が増えてきた影響なのか、襟幅が狭いシャツの注文が増えているとのことです。    

 この流れにそって、襟先の両端に穴が開いているピンホールカラーと呼ばれるシャツも、再び人気になってきています。

 また、襟羽の裏にネクタイを通すためのつまみひもがついているラブカラーシャツというものもあります。衿元を引き締めることで、ネクタイに立体感が出るのが特徴です。

 つい最近までワイドな襟が流行っていたのですが、このように、ここ1年ぐらいは狭い襟のシャツが見直されてきています。

 通常、ネクタイを持ち上げるためにネクタイピンを使ったりしますが、狭い襟の場合は、自然と前方に出るので必要ない場合もあります。

 首元がコンパクトに締まった形になるので、同じスーツを着ていてもイメージが変わってきます。いつものスタイルに飽きた場合は、試してみると気分が変わるかもしれません。

 以前、このコラムでネクタイの結び方をいくつか紹介しましたが、襟幅が狭いシャツを着るときは、ウィンザーノットやセミウィンザーノットと呼ばれる結び目が大きくなるスタイルは向いていません。プレーンノットでコンパクトに締めた方が良いでしょう。

流行が生まれにくい時代に

 また、スーツに関していえば、少し前にチェック柄が流行ったりしたこともありますが、今はだいぶ動きが落ち着いている印象です。

 スーツのデザインなどは微妙な変化を繰り返すのが普通です。当然ながら、業界側の「何かを流行らせよう」という意志と、消費者側の共感が上手くマッチしなければ流行にはなりませんから、大きなトレンドの変化はそう頻繁に起きるわけではありません。

 さらに、現代は人々の趣味が多様化して、どんな分野でも全国的な流行が起きにくい状況になっています。ファッションに関しても同様で、流行が作りにくい時代になっているとも言えるでしょう。

吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真個人の趣味・趣向の細分化に伴って、カジュアルでもオーダーシャツを作るといった動きが増えてきています。どのレベルのオーダーを選ぶのかは一人一人の判断になりますが、その場合も、ファッションの王道の部分をしっかり押さえておくことが必要だと思います。

 

(よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

 

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