マネジメント

数ある人材関連ビジネスの中でも、企業の細かなニーズに対応する短期人材サービスで国内ナンバーワンの実績を誇るネクストレベル。躍進の秘訣は蓄積したノウハウと膨大な数の登録スタッフ、そしてITを活用した業務の効率化だ。

徹底した業務のシステム化で効率的な経営を実現

株式会社ネクストレベル 代表取締役 河原由次(かわはら・よしつぐ)

あらゆる産業で人手不足が深刻化する中、企業が必要とする時に必要なだけの人材を供給する短期人材サービスに特化して、着々と業容を拡大しているネクストレベル。今年で創業10周年を迎える同社に登録するスタッフの数は、何と約46万人にも上るという。

「もちろん、そのすべてが実際に稼働しているわけではありませんが、自社のウェブメディアをはじめさまざまな動線を作ることで、人材募集は順調です。今も、毎月約1万人の面接を実施しています」と河原由次社長は自信を見せる。

働き手の中心は18~30歳ぐらいの若者であり、いつ働いてもいい気軽さと給与が日払いであるというメリット、さらにさまざまな仕事を気軽に体験できるという点が彼らを惹きつけているようだ。そもそも、河原社長がこのビジネスを始めたのには大きな理由がある。

「定職に就いていない若者に、たくさんの仕事を経験してもらいながら、あらためて自分がやりたいことが何であるのかを確認した上で、社会に飛び込んで欲しい」

バラエティに富んだ仕事内容で若者の労働意欲を刺激し、結果として人手不足の解消につながる意義深いビジネスといえよう。

そんな短期人材サービスの現場では、引っ越しなどの軽作業から倉庫内作業、飲食店のスタッフ、チラシの配布など業務内容は多岐にわたる。野外イベントや花火大会となれば一気に数百人規模の人員を手配することになるが、他社が用意できない大量の人員を確保できるのも大きな強みとなっている。

同社の受注体制は1日3時間から、前日15時まで受付可能、かつ24時間365日対応可能と、管理および手配が大きな負担になるであろうことは容易に想像できる。同社でも当初は、手配段階から作業終了の確認まで、電話やファクスといったアナログな手段で1件ごとに行っていた。しかし、仕事量とスタッフの急激な増加に伴って限界を感じたという河原社長は4年前、一連の業務のシステム化に着手。

「面接時には、希望する仕事内容や勤務日に関する細かな要望を徹底的にヒアリングしてデータベース化しています。そのデータを元に、仕事の案件ごとにシステムが自動的に候補となるスタッフをピックアップしてスマートフォンに通知。各自がエントリーするところまで、全体の8割は自動でマッチングしています」

こうした他社に先駆けて実現した業務のIT化は大きなアドバンテージとなり、今や短期人材サービスの分野では質、量ともに業界をリードする存在となっている。

一方で、こうした短期人材に対する企業側の需要も旺盛だ。

「例えば慢性的な人手不足に悩む飲食店でも、皿洗いなど誰でもできる仕事は短期人材サービスに任せ、熟練した人材は接客や調理といった本来やるべき仕事に専念することで、サービス全体の質が向上します。また、短期で働くスタッフでも良い人材であれば、店側が長期アルバイトとして採用することにより、コストをかけない新しい形の人材採用が可能になります」

豊富なデータベースを武器に新たなビジネスを展開

「売上高1千億円の達成」という高い目標を掲げる河原社長だが、この数字を短期人材サービスのみで実現するのは難しいと捉えている。そこで、これまで得たノウハウと登録スタッフをベースに新たなビジネスにも積極的に取り組む。その一つが、ローコストで人手不足を解消するサービスとして大きな注目を集めている「絶対面接」だ。

飲食店などが採用面接を行う際に、まずネクストレベルが自社の登録スタッフから人材を募って面接を行う。1カ月で企業から求められる人数を手配し、そうして厳選された人材が本番の面接に進むという仕組みだ。企業側としても、ある程度選抜された求職者が面接にやってくるため、一般的な求人媒体に比べて採用率が高く、評判は上々だという。

また、短期バイトという性質上、数回働けば他の長期バイトを探し始める登録スタッフに対して、出口を作るという側面もある。

「求職者というのは、背中を押されるのを待っているものです。当社が面接をセッティングして、そうした人々の背中を押すことにより、これまで埋もれていた人材の掘り起こしにつながるのではないでしょうか」

採用に至らなかった場合には、参加者からヒアリングを行った上で、なぜそうなったかをまとめた最終レポートを提出。今後の採用活動の改善にもつなげられるという。

最近では、膨大な登録スタッフの数を生かしたモニタリング事業にも参入。さらに、短期人材サービスで起業を目指す熱意ある若者をサポートし、河原社長自らバックアップしながら一人前の経営者へと育てていこうという試みも着々と結果を出しており、すでに5人の経営者が誕生している。

「この10年間、短期人材サービスだけを追い求めてきたら、結果としてさまざまなことができるようになりました。現在、国内拠点は20カ所ですが、まずは全都道府県に進出して当社のサービスを提供したいですね」と意欲を見せる河原社長。

スマートフォンを介した数十万人とのつながりは、さらなる大きなビジネスの可能性を秘めている。

 

[会社概要]
設立/2008年7月
資本金/8,000万円
所在地/大阪市北区
従業員数/200人</p>
事業内容/短期人材サービス事業、一般派遣労働者派遣事業、求人広告取扱事業
https://www.nextlevel2008.com/

 

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