マネジメント

株式会社IDOM 代表取締役社長 羽鳥由宇介(はとり・ゆうすけ)

独自のビジネスモデルと「攻めのIT経営」で中古車買取・販売最大手の地位を築いたIDOM(旧ガリバーインターナショナル)。2008年に弟・貴夫氏と兄弟で社長に就任した羽鳥由宇介氏は、価値観の共有に重きを置いた社員育成で、自動車業界の流通変革に挑む。

「どんなに有能なビジネススキルを持っていても、会社の業績に貢献していても、『挑まない社員』はいらない。困難は必ず解決できる。社員は『挑む』プロセスを楽しんでほしいし、そこで成長してほしい。会社も結果ではなくプロセスを見ている」。そう話す羽鳥社長の目は真剣だ。

前身のガリバーインターナショナルは、買い取った中古車の展示販売を行わず、2週間以内にオークションで卸販売するという在庫リスクを極小化したビジネスモデルを構築。同時に先駆的なIT経営を実践し、全国店舗で車両の状態を閲覧できる画像システム「ドルフィネット」を活用、急成長を遂げてきた。現在はこれを基盤に、車種別の展示場での販売網を整備。また個人間売買のプラットフォーム、月額定額クルマ乗り換えサービス等も手がけている。

「今は英語の『BUSINESS』と日本語の『商い』を良いところ取りした組織づくりに努めている。MBAの仕組みや制度、最新のテクノロジーを取り入れるだけでなく、日本の伝統的なマネジメントも必要」

この言葉どおり、職種別の等級制度や能力評価、表彰・補助制度、ビジネススキル研修、個人のビジョンに照らした目標設定など、同社の人材教育・支援体制は目を見張るものがある。一方、社員同士が顔を突き合わせて話す場を「仕組み」として設けている。例えば社員は寮での共同生活を通してコミュニケーションスキルを磨く、部長や店長は合宿で議論を行うといった具合だ。

「時代ごとに必要なビジネススキルは変わっても、経営理念の『挑み続ける』姿勢は変わらない。うちには体育会系の営業社員、技術系の社員、海外で働く社員もいる。その多様性を受け入れつつ会社として一本筋を通すために、社員の価値観の共有により多くの時間を割いている」

毎年数百人の新卒を採用し、社員の平均年齢も30代前半と若い。向かう先は自動車業界の流通変革。そこに挑戦する全社一丸の勢いはある。

「時間をかけた会社の基礎工事は終わった。これからは会社の価値観を共有できる社員たちと業界革新に挑んでいく。トヨタの『KAIZEN』のように、『IDOM』文化を国内外に広げていきたい」

 

[会社概要]
設立/1994年10月
資本金/41億5,700万円
売上高 2,761億5,700万円
所在地/東京都千代田区
従業員数/3,824人
事業内容/中古車の買取・販売事業等
https://www.idom-inc.com/

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