政治・経済

企業移転に伴うオフィスデザインなどで業界でも長い歴史を持つMACオフィスが、新たなサービス「Work&Style」をスタートする。これまで積み重ねて来た実績を元に作成した500種類以上のメニューをベースに、効率的かつスピーディーなオフィスデザインを実現するという。今回は同社代表取締役、池野衛氏に話を聞いた。

池野衛氏は語る 一品もの創作料理から、メニュー化への変換

池野衛・MACオフィス社長

--オフィスデザインがメーンの事業ということですが、御社の特徴をお聞かせください。

池野 創業は1966年、現在の組織となったのが90年です。この業界では古参と言えると思います。競合として什器メーカーがあるのですが、什器メーカーはオフィス家具などを販売することがメーンで、そのためにオフィスデザインを手掛けています。

 当社は、什器は基本的にデザインに合わせて、各メーカーに縛られることなく選定しています。そういった点で、競合とは大きな違いがあります。

--オフィスデザインに特化している点で、課題はあるのでしょうか。

池野 数多いオフィスの中でも基本的に同じデザインのオフィスはないというのが、この業界の特徴です。いわば創作料理のようなものなのです。それだけ手間暇がかかる。そうなると、人材的にもスピード的にも無理が生じてきます。半年かけて顧客のヒアリングをしていると、その間に環境が変化してしまうこともあります。そこで、そうした作業をある程度パッケージングしてメニュー化する新たなサービス「Work & Style」の提供をスタートします。

 これまで設計会社として24年、5千件のオフィスを提案、設計してきた実績を元に、12種類のパッケージを作成、それぞれ企業の4つの成長段階に応じた提案ができるようになっています。

 これだけで48種類のメニューがあるのですが、さらにトレンドを掛け合わせることで、実際には500種類以上のメニューを作りました。ただ、このメニューどおりに進めるのではなく、これをベースにカスタマイズしていく。このメニューを利用するだけで、スピードアップ、効率化が可能になります。

オフィスだけではなく、理念の提案も行っていくと語る池野衛氏

--現在、オフィスデザインの需要は高まっているのでしょうか。

池野 東京では案件に困ることはありません。IPOを含めて成長企業が多いということも挙げられるでしょう。景気動向との関連についても、実はリーマンショックの時でも業容縮小に伴うオフィス移転があり、案件は減らなかったのです。

 また、当社の場合、リーマンショック時でも単価は下がりませんでした。この背景には、以前は当社の顧客は中小企業ばかりだったところを、意識的にある程度の規模以上の企業へのアプローチを増やしたことがあります。

マニュアル化で効率化を進めさらなる成長を目指したい池野衛氏

--具体的な顧客ターゲット層はどのような企業なのでしょうか。

池野 もともとは中小企業で、最近はその上の層を狙っているというお話をしましたが、基本的には成長企業をメーンターゲットだと考えています。成長企業だからこそ、独創的であり、将来像が見える。そういった企業との取引を通じて、当社も成長していきたいという思いもあります。

--今後の目標をお聞かせください。

池野 今回リリースする「Work & Style」というコンセプトメニューの認知度を高めていきたいと考えています。当社のやり方をまねされるくらいになりたい。この業界で突きぬけた企業がない原因として、人に依存し過ぎているということが挙げられます。いかに優れた人でも、物理的にできる仕事量には上限がある。そこで、メニュー化、マニュアル化することで、属人的な業務から脱却して、成長していけると考えています。

 専門的な知識がある人材を増やし、社内の組織改編で、営業、設計、施工管理の各部門が互いにフォローし合っていけるようになれば、もっと成長できると考えています。

 今後の成長のためには、このようなビジネスモデルの改革、持続的な成長のためのプランが欠かせないと思います。

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ
一般社団法人かぎろい出版マーケティング代表 西浦孝次氏

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫とは

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

実録! 関西の勇士たち

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

三和銀行の法皇・渡辺忠雄の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第14回)

住友の天皇・堀田庄三の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第11回)

商売の神様2人の友情 江崎利一と松下幸之助

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第7回)

関西財界の歴史―関経連トップに君臨した芦原義重の長期政権

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

家族葬のファミーユが目指す「生活者目線で故人に寄り添う」葬儀の形

家族葬のファミーユは家族や親族など故人の近親者だけで施設を貸し切って行う「家族葬」のパイオニアだ。創業者・高見信光氏は異端児と言われながらも旧態依然とした業界を変えてきた。その思いに共感し、異業種のリクルートから転じて社長を引き継いだ中道康彰氏も業界の常識を打ち破るため奮闘している。文=榎本正義(『経済界』2…

不動産のノウハウや技術を生かしサステナブルインフラへ―いちご

次世代車向け先進技術を応用する日本発プラットフォーマー ―イーソル

新社長登場

一覧へ

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

アサヒグループ食品の副社長から、この3月にアサヒビールの社長に就任した塩澤賢一氏。長年、ビール営業畑を歩み、マーケティングを兼ねた繁華街歩きを趣味にしている。街の変化から世の中の流れを読む塩澤新社長が挑むのは低迷するビール市場の活性化。若者需要を伸ばしつつ、スポーツイベントを商機として攻勢をかけていく。聞き手…

塩澤賢一(アサヒビール社長)

「事業部門の連携を活性化させ営業利益100億円を目指す」 内藤宏治(ウシオ電機社長 )

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

イノベーターズ

一覧へ

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

起業家のスタンスとして、画期的な技術やビジネスモデルを社会で活かすことを目的としたイノベーション先行型もあれば、社会課題解決を最優先とし、そこに必要な技術やノウハウを当てはめていくやり方もある。ハックジャパンCEOの戸村光氏の場合は後者。対象となる課題は「身の周りの気付いたことすべて」だ。(取材・文=吉田浩)…

戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

IT化で変革する産業廃棄物処理の世界―福田隆(トライシクルCEO)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年10月号
[特集] 進撃のスタートアップ
  • ・スタートアップ・エコシステムの活性化
  • ・[スパイバー]2万5千円のTシャツは完売 実用化が迫った人工クモの糸
  • ・[Rhelixa]エピゲノム関連の研究・開発で人類の役に立つ
  • ・[チャレナジー]台風発電でエジソンになる ビジネス展開は「島」から
  • ・[エイシング]エッジで動く超軽量AIでリアルタイムに予測制御
  • ・[キャディ]製造業に調達革命! 町工場は赤字から脱出へ
  • ・[Clear]目指すは日本酒産業のリーディングカンパニー
  • ・[空]「値付け」の悩みを解決するホテル業界待望のサービス
  • ・宇宙ビジネスに民間の力 地球観測衛星やロボット開発
  • ・71歳で環境スタートアップを立ち上げた「プロ経営者」
[Special Interview]

 荻田敏宏(ホテルオークラ社長)

 「The Okura Tokyo」をショーケースに海外展開を進めていく

[NEWS REPORT]

◆戴正呉会長兼社長を直撃! なぜ、シャープは復活できたのか?

◆アスクル創業社長を退陣させた筆頭株主・ヤフーの焦り

◆サービス開始から3カ月で撤退 セブンペイ事件の背景にあるもの

◆絶滅危惧種ウナギの危機 イオンが挑むトレーサビリティ

[特集2]

 富裕層は知っている

・富裕層の最大の使い道は商品ではなく次代への投資

・シンガポールからケイマン諸島まで 資産フライトはここまで進化した

・年間授業料100万円超は当たり前 教育投資はローリスクハイリターン

・最先端の人間ドックは究極のリスクマネジメント

・家事代行サービスで家族との時間を有効活用

ページ上部へ戻る