スキル・ハウツー

企業に入社した当初は、何を判断基準として仕事をしたら良いのか悩むことが多いと思います。「誰に判断を仰げば良いのだろうか?」「仕事の進め方はこれで正解だったのだろうか?」など、悩みが尽きません。

今回は仕事のさまざまな場面における判断基準を養うための基本について説明します。(経済界電子版編集部)

 

研修、教育体制が整っていない場合はどうするか

 

 仕事の判断基準を養うための経験を積む上で手っ取り早いのが、あらかじめ社員の教育体制が整っている会社へ入ってしまうという方法。ジョブローテーションなどの一定の期間部署を経験させてくれる企業や、研修と称して会社の理念や知識の勉強会を社内・社外で行っている企業、マンツーマンでの教育制度が整っている企業などは、それらをアピールポイントとして、求人情報に記載している場合が多いです。

 一方で、教育体制が整っていない会社も沢山あります。

 積極的にコミュニケーションをとれる方は上手く乗り越え順応していかれるかと思いますが、大半は「続けていくのは無理」と匙を投げ、他社に方向転換してしまう人もいるかもしれません。

  とはいえ、仕事に真剣に取り組み、試行錯誤を積み重ねていくと次第に「この時はこうしたら良い」と、経験のストックが溜まっていきます。

 自身のペースで経験を重ね、自分なりの判断基準の形成が出来たら、それを糧として仕事に反映し、前進していけば良いのではないでしょうか。

 

積み重ねた仕事の成功と失敗が「判断基準」の構築につながる

 

 ただ、そもそも仕事のやり方について「こうあるべき」という具体的な決まりや判断基準はあるのでしょうか。

 会社務めが長くなってくると仕事を任される機会も多くなります。

 会社に貢献し実績を積むチャンスです。活かすことが出来るか否か、手腕が試されることとなります。

 「仕事を任される」ということは、完成まで業務を遂行しなければいけない責任がありますが、

 他者に実力を評価をされ、実力を認められた上で、任せて貰えたということでもあります。

 次の実績・経験を積み重ねる上でのステップアップ、またとないチャンスとも言えるのです。

 ただ、仕事を任されて喜ばしい反面、成功させなければいけないとプレッシャーを感じたり、予期せぬトラブルに見舞われたりすることもあるでしょう。新たな課題が生まれることもあり、悩みの種は尽きません。

 しかし、ビジネスにおいてはトラブルもプレッシャーも全て経験・実績となり自身の糧になります。

 成功や失敗体験はその量も質も人それぞれ違います。ですから、仕事のやり方について「こうあるべき」という具体的な決まりや判断基準を万人に対して定めるのは難しいと考えられます。

 それよりも、成功体験や失敗を繰り返し、自分なりの判断基準を磨くことが重要になるのです。

 

自分なりの判断基準を養う情報収集の方法

 

 仕事における判断基準を磨くために必要な情報は、どのように収集すれば良いでしょうか。

 本や雑誌、新聞、テレビ等で情報を収集するのが一般的なのではないかと思います。

 最近では電車内でタブレット端末で新聞や小説などを読んでいるサラリーマンが増えました。以前より情報の取得が簡単に、隙間時間で上手に仕事の情報を得ることが可能になったので、ITツールを大いに活用して

インプットを沢山行うことで、仕事に役立つ情報のストックが増えます。

 ただし、媒体だけに頼る情報収集では深みが生まれません。

 その意味でおすすめしたいのが、話が上手い人と積極的にコミュニケーションを取り、その人の真似をしてみることです。

 話が上手い人は情報の引き出しを沢山持っていることが多いものです。話が面白く、何より聞く人を惹きつける魅力がある人が多い。その一方で、相手の話をしっかりと聞くということにも神経を使っています。

 こうした「話す力」と「聞く力」の両方を兼ね備えた人と交流することで、顧客との会話のコミュニケーションに役立てる情報をアウトプットできたり、アイディアを生み出すヒントに繋げたりも出来ます。

 そうした情報のインプット・アウトプットの繰り返しで、自分なりの判断基準が自然と磨かれていくものです。

 新しい情報を外部から吸収するのも良いと思います。

 スクールやセミナー、習い事、異業種交流会、イベントなどに参加して、アイディアのヒントに、仕事の成果に、人脈を広げるのにも活用できます。

 ただし、そうした集まりに参加しただけで満足してしまうこともあるので、そこは注意が必要です。イベントの参加はあくまできっかけに過ぎず、そこから深堀りしてこそ役立つ真の情報が得られるのです。

 常に情報を上書き・アップデートしていくことを心がけましょう。

 

「顧客満足」か「社員満足」か―仕事における判断基準を決めておく

 

 仕事上の目的を達成する上で常に考えておきたいのは、判断基準の軸を「顧客満足」におくのか「社員満足」に置くのか、はたまた「自己満足」で十分なのか、自分の中ではっきり決めておくことです。

 「顧客満足」につながるかどうかを物事の判断基準に置く場合は、仕事相手に対してコミュニケーションが円滑に取れるよう、きめ細やかな配慮が必要不可欠です。

 とりわけ、仕事において顧客との「約束事を守る」ことは最も重要です。社内での約束事、決め事を守る事も重要ですが、「顧客満足」が判断基準の軸ならばそれに従って行動していく必要があります。

 人とうまくコミュニケーションを取る事は、仕事をうまく運ぶ上での必須条件と言えます。その理由は、細かな配慮の積み重ねが、時として成果に結びつくことがあるからです。

 例えば有名ブランド商品は、セールストークが無くとも、ブランドの価値、ネームバリユーで売れてしまいますが、無名のブランドなどは、手間をかけて売れる為の手段を考える必要があります。

 その場合、カギとなるのは顧客である消費者の心理を考える、インターネットやアンケート調査や仕様飛車との直接的な交流を通じて、真のニーズがどこにあるかを深堀するといった地道な作業になります。

 仕事を成功させるためには非常にきめ細かな配慮や思索が求められますが、こうした作業を繰り返すことによって、口コミ等で評判が広まり、リピーターやファンが増えるケースが現在は非常に多くなっています。

 人気に火が付くきっかけ・仕事におけるヒントは気づかないだけで意外とゴロゴロと転がっているものです。そうしたチャンスを逃さないためにも普段から情報収集を心がけ、判断基準を養っておくことが必要となってくるのです。

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次なるステージを駆け上がる日本電子「70年目の転進」–日本電子

 最先端の分析機器・理科学機器の製造・販売・開発研究等を手掛ける日本電子(JEOL)は、ノーベル賞受賞者を含むトップサイエンティストや研究機関を顧客に、世界の科学技術振興を支えてきた。足元の業績は2019年3月期で連結営業利益、同経常利益、同最終利益がいずれも過去最高を更新。かつては技術偏重による「儲からない…

独自開発のホテル基幹システムで業務効率化と顧客満足度を向上–ネットシスジャパン

逆転の発想で歴史に残る食パンを 生活に新しい食文化をもたらす–乃が美ホールディングス

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

非大卒就職マーケットの変革に挑む元教師の挑戦―永田謙介(スパーク社長)

日本企業の年功序列と終身雇用が崩壊に向かう中、制度を支えてきた大学生の新卒一括採用の是非もようやく議論されるようになってきた。一方、高校卒業後に就職する学生のための制度は旧態依然とし、変化の兆しがほとんど見えない。こうした現状を打ち破るべく、非大卒就職マーケットの改革に挑戦しているのがSpark(スパーク)社…

起業家にとって「志」が綺麗ごとではなく重要な理由―坂本憲彦(一般財団法人立志財団理事長)

勉強ノウハウと法律知識で企業の「働き方改革」を促進する―鬼頭政人(サイトビジット社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年5月号
[特集] 巻き込む力
  • ・高岡浩三(ネスレ日本社長兼CEO)
  • ・唐池恒二(九州旅客鉄道会長)
  • ・河野 仁(防衛大学校教授)
  • ・入山章栄(早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)
  • ・出口治明(立命館アジア太平洋大学学長)
  • ・中竹竜二(日本ラグビーフットボール協会理事)
  • ・時代も国境も超えた普遍のリーダーシップを学べるベストブックス
[Special Interview]

 小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)

 イノベーションを起こすために「人間とは何か」を問う

[NEWS REPORT]

◆零細企業でも活用できるインターネットM&A最前線

◆業界再編はあるのか 日本製鉄、巻き返しへの一手

◆技術研究所を解体してホンダは何を目指すのか

◆新型コロナウイルス治療薬 なぜ日本企業は創れないのか

[特集2]

 経営者に贈る「イロとカネの危機管理」

ページ上部へ戻る