新社会人が仕事を行う上での「判断基準」の養い方
2019年1月31日

企業に入社した当初は、何を判断基準として仕事をしたら良いのか悩むことが多いと思います。「誰に判断を仰げば良いのだろうか?」「仕事の進め方はこれで正解だったのだろうか?」など、悩みが尽きません。
今回は仕事のさまざまな場面における判断基準を養うための基本について説明します。(経済界電子版編集部)
目次
研修、教育体制が整っていない場合はどうするか
仕事の判断基準を養うための経験を積む上で手っ取り早いのが、あらかじめ社員の教育体制が整っている会社へ入ってしまうという方法。ジョブローテーションなどの一定の期間部署を経験させてくれる企業や、研修と称して会社の理念や知識の勉強会を社内・社外で行っている企業、マンツーマンでの教育制度が整っている企業などは、それらをアピールポイントとして、求人情報に記載している場合が多いです。
一方で、教育体制が整っていない会社も沢山あります。
積極的にコミュニケーションをとれる方は上手く乗り越え順応していかれるかと思いますが、大半は「続けていくのは無理」と匙を投げ、他社に方向転換してしまう人もいるかもしれません。
とはいえ、仕事に真剣に取り組み、試行錯誤を積み重ねていくと次第に「この時はこうしたら良い」と、経験のストックが溜まっていきます。
自身のペースで経験を重ね、自分なりの判断基準の形成が出来たら、それを糧として仕事に反映し、前進していけば良いのではないでしょうか。
積み重ねた仕事の成功と失敗が「判断基準」の構築につながる
ただ、そもそも仕事のやり方について「こうあるべき」という具体的な決まりや判断基準はあるのでしょうか。
会社務めが長くなってくると仕事を任される機会も多くなります。
会社に貢献し実績を積むチャンスです。活かすことが出来るか否か、手腕が試されることとなります。
「仕事を任される」ということは、完成まで業務を遂行しなければいけない責任がありますが、
他者に実力を評価をされ、実力を認められた上で、任せて貰えたということでもあります。
次の実績・経験を積み重ねる上でのステップアップ、またとないチャンスとも言えるのです。
ただ、仕事を任されて喜ばしい反面、成功させなければいけないとプレッシャーを感じたり、予期せぬトラブルに見舞われたりすることもあるでしょう。新たな課題が生まれることもあり、悩みの種は尽きません。
しかし、ビジネスにおいてはトラブルもプレッシャーも全て経験・実績となり自身の糧になります。
成功や失敗体験はその量も質も人それぞれ違います。ですから、仕事のやり方について「こうあるべき」という具体的な決まりや判断基準を万人に対して定めるのは難しいと考えられます。
それよりも、成功体験や失敗を繰り返し、自分なりの判断基準を磨くことが重要になるのです。
自分なりの判断基準を養う情報収集の方法
仕事における判断基準を磨くために必要な情報は、どのように収集すれば良いでしょうか。
本や雑誌、新聞、テレビ等で情報を収集するのが一般的なのではないかと思います。
最近では電車内でタブレット端末で新聞や小説などを読んでいるサラリーマンが増えました。以前より情報の取得が簡単に、隙間時間で上手に仕事の情報を得ることが可能になったので、ITツールを大いに活用して
インプットを沢山行うことで、仕事に役立つ情報のストックが増えます。
ただし、媒体だけに頼る情報収集では深みが生まれません。
その意味でおすすめしたいのが、話が上手い人と積極的にコミュニケーションを取り、その人の真似をしてみることです。
話が上手い人は情報の引き出しを沢山持っていることが多いものです。話が面白く、何より聞く人を惹きつける魅力がある人が多い。その一方で、相手の話をしっかりと聞くということにも神経を使っています。
こうした「話す力」と「聞く力」の両方を兼ね備えた人と交流することで、顧客との会話のコミュニケーションに役立てる情報をアウトプットできたり、アイディアを生み出すヒントに繋げたりも出来ます。
そうした情報のインプット・アウトプットの繰り返しで、自分なりの判断基準が自然と磨かれていくものです。
新しい情報を外部から吸収するのも良いと思います。
スクールやセミナー、習い事、異業種交流会、イベントなどに参加して、アイディアのヒントに、仕事の成果に、人脈を広げるのにも活用できます。
ただし、そうした集まりに参加しただけで満足してしまうこともあるので、そこは注意が必要です。イベントの参加はあくまできっかけに過ぎず、そこから深堀りしてこそ役立つ真の情報が得られるのです。
常に情報を上書き・アップデートしていくことを心がけましょう。
「顧客満足」か「社員満足」か―仕事における判断基準を決めておく
仕事上の目的を達成する上で常に考えておきたいのは、判断基準の軸を「顧客満足」におくのか「社員満足」に置くのか、はたまた「自己満足」で十分なのか、自分の中ではっきり決めておくことです。
「顧客満足」につながるかどうかを物事の判断基準に置く場合は、仕事相手に対してコミュニケーションが円滑に取れるよう、きめ細やかな配慮が必要不可欠です。
とりわけ、仕事において顧客との「約束事を守る」ことは最も重要です。社内での約束事、決め事を守る事も重要ですが、「顧客満足」が判断基準の軸ならばそれに従って行動していく必要があります。
人とうまくコミュニケーションを取る事は、仕事をうまく運ぶ上での必須条件と言えます。その理由は、細かな配慮の積み重ねが、時として成果に結びつくことがあるからです。
例えば有名ブランド商品は、セールストークが無くとも、ブランドの価値、ネームバリユーで売れてしまいますが、無名のブランドなどは、手間をかけて売れる為の手段を考える必要があります。
その場合、カギとなるのは顧客である消費者の心理を考える、インターネットやアンケート調査や仕様飛車との直接的な交流を通じて、真のニーズがどこにあるかを深堀するといった地道な作業になります。
仕事を成功させるためには非常にきめ細かな配慮や思索が求められますが、こうした作業を繰り返すことによって、口コミ等で評判が広まり、リピーターやファンが増えるケースが現在は非常に多くなっています。
人気に火が付くきっかけ・仕事におけるヒントは気づかないだけで意外とゴロゴロと転がっているものです。そうしたチャンスを逃さないためにも普段から情報収集を心がけ、判断基準を養っておくことが必要となってくるのです。
好評連載
ビジネストレンド新着記事
注目企業
一覧へ次世代の医療現場を支える病院経営の効率化を推進――保木潤一(ホギメディカル社長)
1964年にメッキンバッグを販売して以来、医療用不織布などの、医療現場の安全性を向上する製品の普及を担ってきた。国は医療費を抑える診断群分類別包括評価(DPC制度)の導入や、効率的な医療を行うため病院のさらなる機能分化を実施する方針を掲げており、病院経営も難しい時代に入っている。ホギメディカルは手術室の改善か…

新社長登場
一覧へ地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)
中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

イノベーターズ
一覧へペット仏具の先駆企業が「ペットロスカフェ」で目指す癒しの空間づくり
家族のように接していたペットを亡くし、飼い主が大きな喪失感に襲われる「ペットロス」。このペットロスとなってしまった人々が交流し、お互いを癒し合うカフェが、東京都渋谷区にオープンした。「ディアペット」を運営するインラビングメモリー社の仁部武士社長に、ペット仏具の世界とペットロスカフェをつくった目的について聞いた…

大学の挑戦
一覧へ専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長
2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…
