政治・経済

想定外の提携劇!?

総合会見に臨んだ林紀男・イズミヤ会長(左)と椙岡俊一・H2Oリテイリング会長(右)

総合会見に臨んだ林紀男・イズミヤ会長(左)と椙岡俊一・H2Oリテイリング会長(右)/写真:共同通信社

 景気は回復基調にあるものの、4月に控えた消費増税による影響に戦々恐々とする小売り各社。果たして流通再編の火種になるのかと思った矢先、1月31日に発表されたのが、関西地盤のスーパー、イズミヤと阪急、阪神百貨店を傘下に収めるエイチ・ツー・オー(H2O) リテイリングの経営統合だ。

 会見によると、今回の統合に踏み切った最大の目的は、関西マーケットの深堀りということ。両グループの百貨店からGMS、スーパーマーケット・スーパーセンターといった店舗網および惣菜工場、プロセスセンターの共有によるインフラを再編等により、効率化するのに加え、資材を共同調達することで、スケールメリットも追求、熾烈を極める小売りマーケットで大手に対抗したい意向だ。

 対等な経営統合というものの、これは事実上H2O リテイリングによるイズミヤの救済という色合いが濃い。

 梅田阪急本店の全面改装も完了し、業績好調なH2O リテイリングに対し、イズミヤは、昨年9月にも、業績の下方修正を発表するなど経営を取り巻く環境は厳しさを増すばかり。

 特にイズミヤの主力業態であるGMSは、専門店、ドラッグストア、コンビニといった競合の台頭により、競争力は既に弱体化している。GMSの再生は、同社に限らず、業界の共通課題ではあるが、それを補うための改装費やスケールメリットという点でも、売り上げ3千億円前後のイズミヤ単独では荷が重いというのも事実ではある。

 しかし、環境は環境としてイズミヤがなぜ、統合相手としてH2O リテイリングを選んだのか腑に落ちない。同社のスーパー部門の売り上げは約860億円と、統合してもお世辞にも優越性が高いとは言えない。

 大きなお世話かもしれないが、仮に統合という選択肢があったのであれば、業務提携しており、プライベートブランド「スタイルワン」を共に販売しているユニー等、規模のあるスーパー専業のほうがより高いメリットを享受できたのではないか。

 MD分野での協業はさておき、課題は前述したGMSの再生だ。

 「今回、経営統合をすることによって百貨店から食品スーパー、GMS等、さまざまな業態が展開できることになります。大阪の場合は梅田に食の情報、ファッション情報のすべてが集まります。百貨店の集まる情報を既存のGMSの中で、活用できるものがあるのではないかと考えている」(イズミヤ広報)

 絶滅危惧種と揶揄されるGMSをイズミヤがH2O リテイリングと組み、いかに再生していくのか見ものである。

(本誌/大和賢治)

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