政治・経済

 台湾との友好議員連盟は、超党派で衆参合わせて265人を擁する大連盟で、小生が会長をしている。この議員連盟では両国懸案の事項について実務者会議をつくり、関係省庁を集めて、数々解決してきた。ノービザの実現、ワーキングホリデーの実施、台湾の札幌事務所の開設、航空路の羽田︱松山(台北)便の就航、オープンスカイの取決め、日台特許ハイウエーの覚書署名、日台民間相互承認取決め締結、長い間、問題であった漁業交渉の進展等々、枚挙に暇のない程、実績をあげることができた。

 ご承知のように、東日本大震災の折には、人口が2300万人の台湾は民間主体で、200億円の義捐金を供出してくれた。台湾でのアンケート調査で、台湾の人々は断トツで日本が好きという結果が出ている。日本への観光客も、299万人であって、人口1億2千万人の日本も全くかなわない数である。北海道や石川県にもたくさんの人々が訪れ観光に大きな影響を与えてくれている。

 最近のビッグニュースといえば、故宮博物院の文物の展示が、日本で可能になったことである。実現のためには日本での法整備が必要で、議員連盟で努力をして、「海外美術品等公開促進法」と「美術品補償制度」ができた。日本での受入れ態勢が確立し、ようやく明年の6月24日から9月15日までの12週間、東京国立博物館で、10月7日から11月30日までの8週間、九州国立博物館で開催されることになった。出品作品は231点で、特筆すべきは、書画、陶器等の美術品のほか、門外不出といわれる「翠玉白菜」と「肉形石」が初めて海外で展示されることである。

「翠玉白菜」は翠玉(ヒスイ)の原石の色を生かし、白菜とそれに乗るキリギリスとイナゴを見事に彫り出した逸品で、台北の故宮博物院でも一番の人気で、長蛇の列ができる程である。「肉形石」は肉汁がしたたり落ちそうな豚の角煮に見えるが、実は玉でできている。これも「翠玉白菜」に劣らぬ人気文物なのだ。これらの実現ができたのは台湾側の日本に対する好意の表れと見ている。日本側もこれに応えて、2016年10月から17年1月まで、台北の故宮博物院南分院で、東京博物館、九州国立博物館の所蔵品による交流展「日本美術の粋東京・九州国立博物館精品展」を開催する運びとなった。台湾の人々は、日本の文化を非常に愛してくれているので、たくさんの人々が見に来てくれるに違いないと確信している。

 国宝クラスの文物も日本から持ち運ぶとのことで、とても立派な博覧会になると思っている。これからも両国の絆は深まっていくだろう。先日、双十国慶節のお祝いに、私が団長で、34人の国会議員で台北へ行って祝賀式にも参列した。不仲を伝えられている馬英九総統と王金平立法院院長が、祝賀会場でにこやかに何回も握手している姿を見て、これなら決定的な対立にならないと安心をしたのであった。日本と台湾は戦後、同じ価値観の中で交流してきたが、1972年に、不幸にも国交は断交状況になった。実際の関係は強固なものがあり、これを大切に今後も両国の発展親善のために努力していきたいと思っている。

 

視点 記事一覧はこちら

平沼赳夫氏 関連記事一覧はこちら

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ
一般社団法人かぎろい出版マーケティング代表 西浦孝次氏

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

水辺に都市が栄える理由と開発の事例を探る

[特集 新しい街は懐かしい]

水辺に都市が栄える理由と開発の事例を探る

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫とは

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

三和銀行の法皇・渡辺忠雄の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第14回)

住友の天皇・堀田庄三の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第11回)

商売の神様2人の友情 江崎利一と松下幸之助

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

総合事業プロデューサーとして顧客と共に成長する―中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

広告やマーケティング、ブランディングを事業プロデュースという大きな枠で捉え、事業が成功するまで顧客と並走する姿勢が支持されているグランドビジョン。経営者の思いを形にしていく力で、単なる広告代理店とは一線を画している。 中尾賢一郎・グランドビジョン社長プロフィール &nb…

中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

人材戦略を経営の核に成長する駐車場ビジネスのプロ集団―清家政彦(セイワパーク社長)

「PCのかかりつけ医」として100年企業への基盤構築を進める―黒木英隆(メディエイター社長)

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

20歳で探検家グランドスラム達成した南谷真鈴さんの素顔

自らの手で未来をつかみ取る革新者たちは、自分の可能性をどう開花させてきたのか。今回インタビューしたのは、学生でありながら自力で資金を集め、世界最年少で探検家グランドスラムを制した南谷真鈴さんだ。文=唐島明子 Photo=山田朋和(『経済界』2020年1月号より転載)南谷真鈴さんプロフィール&nbs…

南谷真鈴

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年1月号
[特集] 新しい街は懐かしい
  • ・「街の記憶」で未来をリノベーション
  • ・日本橋が「空を取り戻す」水辺と路地がつながる街へ
  • ・水辺はエンタメの宝庫だ 大阪が目指す観光客1300万人
  • ・街の誇りを取り戻せ 名古屋・堀川復活プロジェクト
  • ・なぜ水辺に都市が栄えるのか
  • ・2020以降は海と川がさらに面白くなる
  • ・「住む」と「働く」両方できるが求められている(たまプラーザ)
  • ・「土徳」が育む一流の田舎(南砺市)
  • ・音楽ファンが集う街づくり
[Special Interview]

 辻 慎吾(森ビル社長)

 東京が世界で勝ち抜くために必要なこと

[NEWS REPORT]

◆飛びたくても飛べないスペースジェットの未来

◆エンタメが街を彩る 地方創生に挑むポニーキャニオン

◆問題噴出のコンビニをドラッグストアが抜き去る日

◆始まった自動車世界再編 日本メーカーはどう動く?

[特集2]

 経済界福岡支局開設35周年記念企画

 拓く!九州 財界トップが語る2030年のかたち

ページ上部へ戻る