文化・ライフ

坪田一男(つぼた・かずお)慶応義塾大学医学部教授。1955年東京都生まれ。慶応義塾大学医学部卒業後、日米の医師免許取得。米ハーバード大学にて角膜フェローシップ修了。角膜移植、ドライアイ、屈折矯正手術における世界的権威。再生角膜移植のほか、近視・乱視・遠視・老眼などの最先端の治療に取り組む。近年は研究領域を抗加齢医学=アンチエイジング医学に広げ精力的に活動。日本抗加齢医学会理事、日本再生医療学会理事など。著書に『老けるな!』(幻冬舎)、『長寿遺伝子を鍛える』(新潮社)、『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』(文春新書)ほか多数。

 

個人のヘルスケアにスマホを有効活用

 電子カルテや遠隔診療システムなど、医療分野でのICT(情報通信技術=Information and Communication Technology)化の流れが進む中、個人の健康管理やヘルスケアも、ICTを活用する時代になってきたようだ。

 中でも、このところ非常に人気を集めているのが、スマートフォンのヘルスケア系アプリだ。

 以前、自分が食べたものをすべて記録する「レコーディング・ダイエット」が注目されたことがあったが、生活習慣を改善したり、健康目標を達成したりする上では、体重、体脂肪、血圧などのバイタルデータはもちろん、食事の内容、摂取カロリー、運動量などのデータを記録、管理することがとても大切だ。

 実際、健康に気をつかっている人、健康的なライフスタイルを目指している人の中には、自分自身でノートやパソコンに記録している人も多いだろう。しかし、スマホを活用すれば、もっと簡単にさまざまな情報を計測・記録・管理することができる。

 何しろ、今どきのスマホはGPS(位置情報)機能やBluetooth(近距離無線)機能のほか、モーションセンサーまで搭載している。そのため、僕たちが「いつ」「どこで」「どれくらい」「動いたり、歩いたり、走ったりしたか」という情報を自動的に計測・記録・管理することができるというわけだ。

 もちろん、計測精度に関しては、歩数計や血圧計などの家庭用医療機器にはかなわないだろう。しかし、センサーや半導体などのエレクトロニクス技術の進化で、スマホに搭載されているさまざまな機能も、以前に比べればかなり向上していて、無料のヘルスケア系アプリにも、けっこう使える優れものが続々と登場している。

 実は、僕もスマホを使うようになってから今日まで、さまざまなヘルスケア系アプリをダウンロードして活用している。

 中でも最近ハマっているのが、ランニングの友「Run Keeper」や、心拍数を測れる「Heart Rate」、目覚まし機能のついた快眠アプリ「Sleep Cycle」などだ。

おすすめ! 朝、ごきげんに目覚めるスマホアプリ

 例えば、健康のための運動習慣としてランニングをしている僕にとって、欠かせない存在となっているのが「Run Keeper」だ。

 走行距離や平均速度を自動的に記録してくれるだけでなく、一定時間ごとに音声で走行距離や平均速度を教えてくれるので、まるでパーソナルトレーナーと一緒に走っている感覚でランニングできる。さらに、何月何日にどこでどんなルートを走ったか、地図上で確認することもできるし、これらのデータを友達同士で共有することもできるので、けっこう励みになる。

 また、健康状態や運動能力の向上をチェックする目安として、ランニングの後などに便利に使っているのが、心拍数を測れるアプリ「HeartRate」だ。スマホに内蔵されたカメラのレンズ部に指を当てるだけで、簡単に心拍数を測れる。安静時でもストレスが多い時や緊張している時は心拍数が上がるので、日常のいろいろなタイミングで測ってみるのも、けっこう面白い。

 そしてもうひとつ、毎日眠る時に欠かさず愛用しているのが、「SleepCycle」というアプリだ。

 これは、夜眠る前にベッドの隅などにスマホを置いておくだけで、モーションセンサーが睡眠中の寝返りなどの動きを感知し、レム睡眠・ノンレム睡眠の睡眠サイクルを記録してくれるスグレモノだ。しかも、そのデータを元に、目覚ましアラームをセットした時間の30分前から、もっとも眠りが浅くなるタイミングを見計らってアラームを鳴らし、起こしてくれる。ぐっすり熟睡している最中にアラームが鳴ると、眠くてなかなか起きられないものだが、これなら毎朝スッキリごきげんに起きられる。

 もう半年近くこのアプリを使っているが、過去の睡眠サイクルを見直してみると、夜遅く食事をした日は眠りが浅く、昼間ちゃんと運動をした日は眠りが深いことも分かってきた。このように、睡眠サイクルの変動を知れば、サーカディアンリズムの乱れも、昼間どう過ごせば健康を維持できるかも、明確に見えてくる。

 他にもいろいろと面白いアプリがあるので、ぜひお試しあれ!

★今月のテイクホームメッセージ★

 ヘルスケアもICT化の時代。スマホのアプリを活用しよう!

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