マネジメント

(『経済界』2019年11月号より転載) 

上田満弘氏

パシフィックネット社長 上田満弘(うえだ・みつひろ)


ITデバイスの調達から、運用管理、適正処分に至るまで、企業のIT部門をトータルサポートするパシフィックネット。「顧客ファースト」を貫く経営方針の根幹には、何よりも社員が幸せであることを前提とする哲学がある。

 

 デジタルトランスフォーメーションや働き方改革に向けたIT投資が加速する一方で、それらを担うIT技術者不足が深刻化。法人IT部門の業務アウトソーシング需要が拡大する中、堅調な業績を上げているパシフィックネットでは、独自の人材育成を行っている。

 BtoB事業に集中するため、昨年5月までにリユースPC販売の全店舗を閉鎖。そのスタッフに希望を募り、社内研修を通じてITエンジニアとして育成している。ITリテラシーと接客経験が豊富な彼らは、顧客対応ができるITエンジニアとして活躍中だ。「需要と供給が合致した形」だと、上田満弘社長はいう。

 昨年12月に子会社化したテクノアライアンス社は、マイクロソフト社のクラウド製品に精通し、技術支援や、PCメーカー等に向けたトレーニング等を行っているが、同社はパシフィックネットのITエンジニア向け社内研修の講師も務めている。

 今後、最も伸ばすべきITサービス部門のスタッフを社内の配置転換で充当できた上に「最先端のIT技術に触れる機会が彼らのモチベーションを高めている」と上田社長は語る。企業の成長の原動力である社員のモチベーションと働きがいのある職場環境を重視するのが上田流。

 「不適切な労務管理やハラスメントを防ぐには風通しの良い環境をつくらなければなりません。そのために、私自身が率先して社員に声をかけています」

 互いに声をかけ合うことで、緊密なコミュニケーションが日常的に生まれる。それが特定の社員への業務の集中を防いで、生産性向上と残業の削減に結び付いている。

 特徴的な報奨金制度もある。売上目標の達成だけではなく、他薦による働きぶりの評価も対象となる。さらに残業を一定基準内に減らした部門にも報奨金を出す。チームワークの評価を意欲の向上につなげている。

 「残業も大幅に減り、売上目標も達成できています。ワークライフバランスを重視するこれからの時代に向け良好なサイクルが生まれています」

 社員が幸せであればこそ、顧客の幸せを追求できる。「顧客ファースト」を重視した質の高い人材育成で、さらなる成長を目指している。

 

会社概要
——————————————————————————
設立 1988年7月
資本金 4億3,275万円
売上高 41億7,700万円(2019年5月期)
所在地 東京都港区
従業員数 156人
事業内容 IT機器の調達・運用管理・適正処分等の
LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを
サブスクリプション(月額制)にて展開、法人の
IT部門を支援
https://www.prins.co.jp/
——————————————————————————

 

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