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(写真:AFP=時事)

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 1963年11月22日に暗殺されたJFKことジョン・F・ケネディ大統領の娘、キャロラインが日本で活躍している。50年目の命日2013年11月22日にも日本大使の仕事をしていた。夫エドウィン・アーサー・シュロスバーグとの不仲説もささやかれていたが、この地味な夫、妻キャロラインの被災地訪問などに同行して寄り添っている。だからこの2人は、JFK暗殺から50年という節目の儀式は欠席した。

 しかし、ケネディ家から出席して堂々たる存在感を示したのは、この東北を行脚していた米国人夫婦の息子、ジョン・ブーヴィエ・ケネディ・シュロスバーグである。93年生まれのこの20歳の青年は、JFKの孫である。イエール大学の学生だ。

 極東の島国にいる両親の代わりに、オバマ大統領やクリントン元大統領を迎え入れて挨拶していたのである。

 晩餐会が開かれた場所は、国立アメリカ歴史博物館(Smithsonian’s National Museum of American History)。

 JFKの孫は自分の祖父をこのように評した。

“He reminded us that everyone has the capacity to explore, to imagine and to give back to our great nation no matter the path we choose,”

〈祖父はわれわれ皆がたとえどんな道を歩もうと、それぞれ想像力を働かせ探求してこの偉大なる国民に反映させていく能力を有しているのだということを、思い起こさせてくれました〉

 聴衆が驚いたのはこのJFKの孫が母親キャロラインの弟、JFKジュニアこと、ジョン・フィッツジェラルド・ケネディJr.に似てきたからだ。このJFKの長男は99年7月16日に飛行機事故で死んだ。

 ケネディ家の悲劇を書いていくと紙面が足りなくなるが、男だけを書きとめておけば、JFKの兄、長男のジョセフ・ケネディは第2次大戦中に撃墜されて戦死、次男JFKはダラスで暗殺され、直後に4男のエドワードが飛行機事故で補佐官とパイロットが死亡して本人は瀕死の重傷を負い、3男のロバートは68年カリフォルニアでの大統領予備選に勝利した直後、暗殺された。翌69年には、せっかく生き延びた4男エドワードが飲酒運転で桟橋から転落して助手席の不倫相手が溺死するというスキャンダルで大統領への道は断たれた。

 そしてJFKの長男は自家用飛行機の事故で妻と義姉とともに99年に亡くなった。これがケネディ家の悲劇では最も人々の記憶に新しく、JFKの長男に似てきたのが、長女キャロラインの息子、ジョン・ブーヴィエ・ケネディ・シュロスバーグなのだった。

 この会場でジョンの祖父JFKに関してオバマは言った。

“In his idealism – sober, squared jawed idealism – we are reminded that the power to change this country is ours,”

〈彼の理想主義、冷静で生真面目な理想主義は、この国を変革していく力はわれわれの手の中にあるのだと思い起こさせてくれました〉

“It is a legacy continued by his brothers and sisters who gave us a more gentle and compassionate country.”

〈それは彼の兄弟姉妹から授かった、より優しく思いやりのある国の遺産です〉

“This is a legacy of a man who could have retreated to a life of luxury and ease, but he chose to live a life in the arena.”

〈これは、贅沢で安逸な人生を選べば選べた男が、あえて 競技場を選んだことによる遺産です〉

“Sailing sometimes against the wind, sometimes with it.”

〈風に逆らって航海し、時には風に従って航海した男の〉

 キャロラインはケネディ家の人々の死闘、格闘、愛憎、神話、ゴシップ、人々の過度な思い入れに辟易していたに違いない。だからあえてこの「50年祭」は避けて、日本にさっさと赴任してしまったのだ。息子を総代として米国に残して。キャロラインは神話も信じていないだろうし、「呪われた」「悲劇の」という形容詞も信じてないから息子を送り込んだに違いない。息子を戦場に送り込みたがる母親はいない。

 

[今号の英語]Rid
 RIDとは取り除く、という意味で、望ましくないものを取り除く、という意味合いだ。
 父親に関しては特に言及してこなかったキャロラインだが、遠い極東、この日本の地でようやく、キューバ危機などで、望ましくない核を取り除いた父に重ねて、「核なき世界を目指す」と公言するオバマ大統領にも言及した。
“I am proud to serve another president who is committed to ridding the world of these terrible weapons while I am here in Japan.”
〈私は世界から身の毛のよだつ兵器を取り除こうと決意しているもう1人の大統領に仕え、ここ日本にいることを誇らしく思っております〉

 

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