政治・経済

着実に保険保有契約件数を伸ばす、大手損保グループNKSJホールディングス傘下のNKSJひまわり生命保険。今春社長に就任した熊野御堂(くまのみどう)厚氏は、「グループシナジーを生かして確固たる地位を築きたい」と意気込む。 (聞き手/本誌・鈴木健広)

042_20130618_07損保代理店をサポートしクロスセル率を向上させる

-- グループ生命保険2社の合併からの1年半を振り返ると。

熊野御堂 当社は2011年10月に、損保ジャパンひまわり生命と日本興亜生命が合併して誕生しました。昨年10月には保有契約件数が300万件を突破するなど、手応えを感じています。

 合併で一定の成功を収めることができ、今後は〝第2期〟というわけではありませんが、気持ちを新たに業績基盤の一層の強化を図って参ります。まずは、15年度までのNKSJグループの経営計画達成に向けてきっちりやり切ることが欠かせません。将来的には、商品やサービス力を生かして、業界全体で確固たる地位を築くことができたらと考えています。

-- 貴社の強みは商品力にあると聞きますが。

熊野御堂 当社商品の特徴は、シンプルで分かりやすく、特約が着脱可能だということです。分かりやすさと先進医療への対応などが要因で、主力の終身医療保険「健康のお守り」は今年2月に、取り扱いから4年半ほどで累計100万件を突破しました。当社最大のヒット商品となっています。

 今後も、顧客自らがどういった保障内容が必要で、どんな保障が不要なのか、簡単に理解できるような商品を開発していきたいと思っています。

 また昨年末には、介護状態と認定された場合、保険金の一部または全部を保険金として支払う「介護前払特約」を発売しました。終身保険「一生のお守り」で、9割以上の顧客が特約を付加している状態です。高齢化の急速な進展による顧客の不安に対応したサービス作りを今後も行っていきます。現時点で介護保険は取り扱っていませんが、消費者のニーズをしっかり研究することで良い商品が発売できるかもしれません。良い商品を出せばおのずと業績が伴ってくるでしょう。

-- 具体的な業績強化策について教えてください。

熊野御堂 現在は、「現場力の強化」を社内で呼び掛けています。前年度には、数十人規模を間接部門から営業部門に異動させました。今年度から営業拠点を、前年度比3営業部10支社増となる20営業部107支社体制に拡充したことに伴う措置です。

 また、保険金の支払業務担当を今年4月に十数人増員し、サポート体制拡充のため今年度下期をメドに「第二カスタマーセンター」を福岡に開設する予定です。事務の効率性を追求しながら、一方でサービス人員を増やすことで顧客への訴求力を高めていきます。

-- その他の収益拡大策は。

熊野御堂 現在、数%程度で推移している損害保険代理店による生命保険商品のクロスセル(併売)率を伸ばしていきたいと思っています。現時点では、代理店によって生保の販売実績にバラつきがみられるようです。傾向として、売り上げ上位の代理店は、クロスセル率が非常に高い傾向にあります。「生保の販売に苦手意識がある」、「代理店の顧客層と当社商品のターゲット層が違う」など個々の事情に対応して、生保販売が手薄な代理店のサポートをしっかり行っていく考えです。

 具体的には、営業担当者が代理店に損保の満期時の声掛けを徹底するよう助言したり、生保専門の募集人を採用してもらったりするなど、地道な取り組みを進めています。

損保顧客基盤の活用で保有契約件数を拡大

-- 収益戦略の一環として海外事業を強化する生命保険会社が増えています。

熊野御堂 現在、当社は海外には支店を出していません。現時点での具体的な進出計画はありませんが、将来的な海外進出を視野に、シンガポールにいるグループの損保社員が東南アジアの市場調査を行っています。アジアでは、貯蓄性の高い保険商品が主流のようです。今まで以上に現地研究を進めていきたいと思います。

-- 国内では、生命保険市場が縮小しているといわれています。

熊野御堂 国内人口が減少基調にあるからといって、経営を縮小均衡に陥らせる考えは全くありません。少子高齢化や価格競争の激化が進んでも、収益を上げてグループに貢献し続けることができる〝筋肉質〟な会社づくりを目指します。

 当社グループは、2千万人という損保顧客基盤を有しています。一方、当社の契約数は現時点で300万件超。また、グループ損保の代理店数は数万店規模で、当社代理店は1万5千店超となっています。

 損保でお付き合いいただいている顧客に生保をご提案し、損保代理店に当社の商品を取り扱っていただくなど、営業基盤を拡大できる大きな伸びしろは十分あるとみています。一番のポイントは、グループシナジーを生かした保有契約件数の拡大ではないでしょうか。当然、当社顧客をグループの損保への加入を促すことで、お互いの好循環につなげていきます。同時に顧客数を維持するためにも、解約失効率を一層低減させる構えです。

 保険料の安さを売り物にするのではなく、価格に見合った業務品質や安心感の提供に重点を置いていきます。契約や保険金支払いまでのプロセスをとおして顧客に信頼いただくため、グループ全体で掲げている「お客さま評価日本一」の実現に向けて努力していく所存です。

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