政治・経済

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が長期化の様相を強めている。

 参加12カ国は昨年12月の閣僚会合で妥結を目指したが、知的財産や国有企業改革など難航分野の合意は先送り。日本や米国は1月に再び閣僚会合を開いて交渉の「勢い」を維持したい考えだが、妥結への機運は低下しつつある。

 次回会合は、1月22〜25日の世界経済フォーラム年次総会に併せてスイス・ダボス周辺で開く案が有力だ。

 シンガポールの会合から1カ月余りという異例のペースについて、経済産業省幹部は「期間が開けば開くほど、参加国の熱意が薄れる危機感があった」と打ち明ける。

 12カ国は当初、シンガポール会合で知財、国有企業改革などの難航分野を政治決着し、目標としていた「妥結」を宣言するシナリオを描いていた。だが、難航の原因である米国と新興国の対立の構図は依然として残ったままだ。

 このため閣僚声明は「交渉完了に向けて協議を継続する」と盛り込むのが精いっぱいで、いずれの分野でも「合意」に言及できなかった。

 会合後の共同記者会見では、米国と最も激しく対立するマレーシアの閣僚が欠席。代理のジャヤシリ首席交渉官が、

「柔軟性という形でわれわれの懸念に対応してほしい」

 と訴え、参加国内の意見の隔たりの大きさをあらためて印象付けた。

 米国も強硬姿勢を崩していないが、TPP妥結を来秋の中間選挙の成果としたい考えが強い。日本にとっても、「TPPは通商政策の柱」(経産省幹部)で、交渉決裂は回避したいのが本音だ。

 その結果、失速寸前の交渉をどうにか維持しようと、日米は1月の閣僚会合の開催を提案。米国のオバマ大統領が春に予定するアジア歴訪をめどに妥結への道筋を付けたい考えだ。

 だが、米国と新興国のいずれも国内事情から譲歩はしにくいのが実情で、難航分野の解決の糸口は見えない。米国とアジアの「橋渡し役」を自任する日本の調整力が、次回会合で問われそうだ。

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