政治・経済

 2013年、安倍政権や日銀による大胆な金融緩和策などを背景に、外国為替市場で大幅に円安が進んだ。ただ、今後の円安の進行でガソリン価格などが急騰し、消費税増税とあいまって景気が冷える恐れもある。財政・金融当局は、難しい舵取りを迫られている。

 12年末に1㌦=86円台だった円㌦相場は、約1年で一時105円台と、5年ぶりの円安水準を記録した。20円近くも円安が進む「歴史的な市場動向」(マーケット関係者)だった。

 円安を背景に、輸出産業を中心とした企業の収益が改善する期待が膨らみ、株価も大きく上がった。東京株式市場の年内最後の取引日だった12月30日の日経平均終値は1万6291円31銭と、約6年2カ月ぶりの高値をつけ、年間の上昇率は57%と、41年ぶりの高さを記録した。

 円安について、政府は手放しでは喜んでいない。麻生太郎財務相は12月26日の閣議後会見で、「今の状況を考えると、円安が『善』かと言えば、一概にはそう言えない」と述べた。原油や天然ガスの輸入額が増えており、貿易赤字の拡大につながっていることが念頭にあるからだ。麻生財務相は、「円安のままでいいのかと言うと、そういうわけではない」とも話した。

 14年の円ドル市場について、市場関係者の間には、1㌦=115円程度まで進むとの見方もある。この結果、恐れられるのは、ガソリン価格の高騰で、消費者心理が冷え込むことだ。原材料価格の値上がりを販売価格に上乗せできず、企業収益が圧迫されれば、賃上げどころではなく、デフレ脱却も遠のく。4月には、消費税率の5%から8%への引き上げも予定されているだけに、景気への打撃は深刻だ。

 安倍政権や財務省は、景気の冷え込みに機動的に対応できる経済対策を、適宜、打ち出すことができるのか。また、日銀と密接なコミュニケーションをとり、金融緩和の行き過ぎをコントロールできるのか。その手腕が試されている。

 
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