政治・経済

電力と同様にガス小売り自由化による改革を推進

 経済産業省がエネルギー業界の改革に本腰を入れている。

 電力会社の発電・送電部門の分離などシステム改革を盛り込んだ改正電気事業法が今臨時国会で成立。その余波を受け、ガス事業制度の見直しを議論する有識者会議も立ち上げ、長く地域独占体制が続いたエネルギー業界内で、ガスと電力の相互参入など競争原理を持ち込み、料金引き下げを目指す。

 ただ、業界からは早くも過当競争への懸念が上がっている。

 11月12日、東京・霞が関の経産省で開かれた「ガスシステム改革小委員会」の初会合で、委員からは「ガスを利用する上での選択肢を増やすことが重要だ」と小売りの全面自由化を求める意見が出された。

 経産省や委員の念頭にあるのは、電力小売りの全面自由化を掲げる電力システム改革だ。ガスでも同様の改革を進めることで、地域独占という参入障壁の上にあぐらをかいてきた事業者に「緊張感をもたらす」(経産省幹部)のが狙いだ。

 さらに、電力や石油なども含むエネルギー業界全体を巻き込んだ再編を促し、「海外のメジャー企業にも負けないエネルギー産業の構築も視野に入れている」(業界関係者)。

ガス小売り全面自由化で料金引き下げが加速か?

 ただ、経産省が思い描く構想に対し、ガス業界は懐疑的だ。電力会社は全国に10社しかないが、都市ガス事業者は209社もある乱立状態だからだ。

 既に都市ガスの大口部門の小売り自由化は1995年から始まっており、電力より5年も早い。日本ガス協会によると、2011年度末の新規参入事業者の割合(販売量ベース)は17・0%に上っており、「十分に自由化は進んでおり、これ以上の料金引き下げは望めない」と業界関係者は首をかしげる。

 実際、一部事業者からは「料金引き下げ圧力が完全自由化でさらに強まれば、経営は成り立たない」と悲鳴が上がる。

 果たして、ガス事業の制度見直しが、エネルギー業界に健全な競争をもたらす改革になるのか、それとも「中小企業いじめ」になるのか。

 議論をリードする経産省には、微妙な手綱さばきが求められそうだ。

 
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