国際

(写真:AFP=時事)

(写真:AFP=時事)

ファースト・レディーから学ぶ英語

 ファースト・レディーが50歳を迎えた。誰でも知っているのが、ミッシェル・オバマは米国史上初のアフリカ系アメリカ人のファースト・レディーであるということだろう。そして頭が良いらしいということ。

 非常に頭は良い。大学院を出たファースト・レディーは彼女を含めて3人しかいない。彼女たちは当然、近年のファースト・レディーに限られてくるわけだが、ブッシュの妻ローラはMastersを持っていた。Master’s degree(修士号)のことである。そしてもう1人はクリントンの妻ヒラリーでJ.D.を持っていた。Jurum Doctor (=Doctor of Laws)つまり法務博士号である。

 さて、ミッシェルはプリンストン大学で社会学を専攻し、副専攻にアフリカ系アメリカを履行した。ミッシェルの論文(dissertation)の題名は“Princeton-Educated Blacks and the Black Community”(プリンストンで教育を受けた黒人と黒人コミュニティー)という彼女が最もアクセスしやすい対象を研究したものだった。

 その時の卒論はそっくりこちらのサイトからPDFで読める。

http://www.politico.com/pdf/080222_MOPrincetonThesis_1-251.pdf

 バラク・オバマ大統領は白人とケニア人とのハーフで、純粋な黒人奴隷の子孫ではない。ところが、ミッシェルは黒人奴隷の末裔で、家系は少なくとも南北戦争以前のアメリカ南部のアフリカ系アメリカ人にまでさかのぼることができるから、オバマ大統領とは意識が違うのである。

 ミッシェルはハーバード法科大学院で J.D.を獲得した。ヒラリーと同じ称号である。学歴の高さだけではなく、背の高さでもミッシェルは歴代大統領夫人の中でルーズベルト大統領夫人のエレノアと同じ180cmでトップである。

 しかも、27歳のバラク・オバマがミッシェルに会った時、25歳の彼女はSidley and Austinという企業法務事務所における上司だったのだ。バラク・オバマは2歳下の上司をデートに誘ったが、

“It would be inappropriate.”

〈それは不適切です〉

 と断り続けたという。最後は根負けしたことは明らかである。

 そして結婚して子どもができて夫は上院議員から大統領になった。彼女が家庭に入ってシカゴ大学を辞めた時の年収は21万2千ドルである。年収2千万円以上を稼いでいた。そんな長身で高学歴で高収入の女性がいきなり子ども2人を抱える主婦になって、夫は多忙を極める野心的な政治家である。かなりのストレスだったに違いない。

 2008年にミッシェルはこう言っていた。

“Our kids got older, and then they’re in school.

〈ようやく子ども達は大きくなって学校に行くようになりました〉

Their needs are different.

〈子どものニーズは異なるものです〉

Those early years are a whole lot of work.

〈昔はそれはもう大変でした〉

But the truth is that everybody struggles with it — we just don’t talk about it out loud.

〈で、本当のところは誰もが奮闘しているわけですが、口にしないだけなのです〉

And then also I had to change.

〈そして私は自分が変わっていくしかなかったのです〉

Because there were a lot of things time-wise that he couldn’t provide, because he was not there.

〈夫には時間がないし、不在がちでしたから〉

So, how do I stop being mad at him, and start problem-solving, and cobble together the resources.

〈ですから、夫に怒りをぶつけるのをやめて、問題解決に向かうようにして、お互いに補完するようになったのです〉

I also had to admit that I needed space and I needed time.

〈私自身にも一息つける場所と時間が必要だったことは認めざるを得ません〉

And the more time that I could get to myself, the less stress I felt.

〈で、自分自身の時間を見つければ見つけるほど、ストレスは軽減されていきました〉

 

[今号の英語]growth process

 growというのは育つ、ということでgrowthとは名詞で成長。そのプロセスであるから growth processとは成長過程の意である。
 上記インタビューでミシェルは子育てと夫の不在という試練の中で自分が変化していったことを、こう言い表した。
So it was a growth process for me individually and for us as a couple, too.
〈ですから、それは自分自身の成長過程でしたし、われわれ夫婦にとってもそうでした〉

関連記事

好評連載

グローバルニュースの深層

一覧へ

習近平政権下の中国経済と新時代の到来

[連載] グローバルニュースの深層

グローバルニュースの深層

[連載] グローバルニュースの深層

原油事情に関するロシアの分析

[連載] グローバルニュースの深層

プーチン露大統領の内外記者会見

[連載] グローバルニュースの深層

中間選挙後の米国を展望する

[連載] グローバルニュースの深層

中国を制するものは世界を制す

変貌するアジア

一覧へ

鴻海によるシャープ買収のもう1つの狙い

[連載]変貌するアジア(第37回)

[連載]変貌するアジア(第36回)

SDRの一翼を担う人民元への不安

[連載]変貌するアジア(第33回)

開催意義不明の日中韓首脳会議

[連載]変貌するアジア(第32回)

朱立倫の総統選出馬と台湾海峡危機

津山恵子のニューヨークレポート

一覧へ

CESの姿が変わる花形家電よりもネットワークに

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第20回)

津山恵子のニューヨークレポート

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第19回)

米・キューバ国交回復のインパクト

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第18回)

クリスマス商戦に異変! 店舗買いが消え行く

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第17回)

格差問題が深刻化する米国―教育の機会格差解消にNY市が動き出す

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第16回)

米中間選挙で共和党が圧勝 16年大統領選はどうなる!?

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次世代の医療現場を支える病院経営の効率化を推進――保木潤一(ホギメディカル社長)

1964年にメッキンバッグを販売して以来、医療用不織布などの、医療現場の安全性を向上する製品の普及を担ってきた。国は医療費を抑える診断群分類別包括評価(DPC制度)の導入や、効率的な医療を行うため病院のさらなる機能分化を実施する方針を掲げており、病院経営も難しい時代に入っている。ホギメディカルは手術室の改善か…

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

元引きこもり青年が「cluster」で創造する新たなVRビジネスとエンターテインメント(加藤直人・クラスターCEO)

バーチャル空間で開催される会議や音楽ライブなどに、3Dアバターで参加できる画期的サービス「cluster」を生み出したのは、元引きこもりのオタク青年だった。エンタメの世界を大きく変える可能性を秘めたビジネスで注目を浴びる経営者、加藤直人氏の人物像と「cluster」の展望を探る。(取材・文=吉田浩)加藤直人・…

日本人の英語学習の課題解決に向け、学習者目線のアプリを開発―― 山口隼也(ポリグロッツ社長)

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年1月号
[特集]
平成の事件簿

  • ・[イトマン事件]闇勢力に銀行が食い荒らされた戦後最大の経済事件
  • ・[ダイエー、産業再生機構入り]一代で栄枯盛衰を体現した日本の流通王・中内 功の信念
  • ・[ライブドアショック]一大社会現象を起こしたホリエモンの功罪
  • ・[日本航空経営破綻]親方日の丸航空会社の破綻と再生の物語

[Special Interview]

 高橋和夫(東京急行電鉄社長)

 「100周年に向けて、オンリーワン企業の強みを磨き続ける」

[NEWS REPORT]

◆かつてのライバル対決 明暗分けたパナとソニー

◆経営陣に強い危機感 富士通が異例の構造改革断行

◆売上高1兆円が見えた ミネベアミツミがユーシンを統合

◆前門の貿易戦争、後門の技術革新 好決算でも喜べない自動車各社

[特集2]経営に生かすAI

 「人工知能は『お弟子さん』
日常生活が作品になるということ」
落合陽一(筑波大学准教授)

ページ上部へ戻る