政治・経済

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が瀬戸際に立っている。参加12カ国は2月下旬に開く方向の閣僚会合で「実質合意」を目指すが、交渉を推進する日米両国の意見の隔たりは依然として残る。経済産業省は交渉妥結に向け、米議会に提出された「大統領貿易促進権限(TPA)」法案の審議を、米国の「本気度」を探る試金石として注視している。

「TPA法案がうまく成立すれば、米国がTPP交渉妥結にかける意気込みを示すメッセージになる」

 通商政策局幹部はこう述べ、1月9日の米与野党幹部による上下両院への法案提出を評価した。

 TPAは米国が結ぶ通商協定について大統領が議会に修正を許さず、批准に賛成か反対か〝二者択一〟で問える権限で、ブッシュ前政権下の2007年に失効していた。

 このため日本など参加国は、「TPP交渉が妥結しても、米議会が修正を要求すれば再交渉になる」(自民党中堅議員)と懸念。参加国の意向を踏まえ、オバマ米大統領もTPA復活を議会に要請していた。

 ただ、法案に対し、米下院歳入委員会のレビン野党筆頭理事(民主党)が直ちに不支持を表明。日本政府内には「オバマ大統領は、お膝元の民主党さえも掌握できていない」(交渉筋)と不信感が募る。TPP反対派のレビン氏は対案を提出する意向で、今後の審議では「TPP推進派が提出した当初の法案に対する支持をどれだけ広げられるかがカギとなる」(同)。

 米議会の推進派は交渉妥結をにらみ、4月下旬の復活祭前までに法案を成立させたい考え。米国は、日本に対して農産品の関税撤廃をめぐり強硬姿勢を続けているが、背景には米議会の圧力がある。このため経産省幹部は「TPA復活が円滑に進めば、米国が譲歩の姿勢をみせる可能性もある」と期待する。

 日米両国は2月に予定するTPP閣僚会合で実質合意し、4月にも正式な妥結を宣言したい考えで、法案の行方が交渉の成否に大きく影響しそうだ。

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