政治・経済

 内閣府が1月20日発表した経済財政に関する中長期の試算が楽観的との指摘が浮上している。内閣府が示した試算によれば、国内総生産(GDP)と比べた国と地方の基礎的財政収支の赤字は2015年度で3・2%と10年度(6・6%)から半減する政府目標を達成する内容。しかし高めの成長率や消費税率10%への引き上げなど随所で甘い前提としており、市場関係者からは実現を疑問視する見方も強まっている。

 基礎的財政収支は、政策的経費が税金でどれだけ賄われているかを示す指標で国の財政状況の健全ぶりを示す。内閣府の試算では15年度の赤字は13年8月に示された試算(3・3%)より0・1ポイント改善する姿を描いた。試算は、消費税率を予定どおり14年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることが前提。さらに今後10年間の経済成長率も年平均で実質2・1%、名目3・4%と強気の数字をぶち上げた。民間調査機関に比べても楽観的で、収支好転には景気回復に伴う法人税など税収の上ぶれを織り込み、15年度の一般会計の税収は55・3兆円と、過去最高だったバブル期の1990年度(60兆円)に迫る水準と予測する。

 しかし、そもそも消費税率8%への引き上げ後の景気は不透明なうえ、消費税率10%への引き上げ判断にも不安を残す状況。安倍晋三首相は7〜9月期の景気状況を踏まえ年内に判断するが、14年4月の消費増税の影響を乗り越えて安定成長のシナリオを描けなければ消費税率10%の先送りも現実味を増す。国際公約である健全化目標を実現できなければ、国債価格に跳ね返り景気に大きな打撃を与えかねないだけに、前提の信憑性が問われる。

 
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