国際

(写真:AFP=時事)

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 一般教書演説(State of the Union Address)は合衆国大統領が連邦議会両院の議員を対象に行う演説で、企業で言えば株主総会のようなものである。国の現状(State of the Union)についての大統領の見解を述べ、主要な政治課題を説明する。年初の所信表明である。株主総会の出席者は大統領(President of the United States) 、副大統領(Vice President)、両院議員 (Members of Congress)と下院議長(Speaker of the House of Representatives) 、最高裁判所判事 (Justices of the Supreme Court) 、各省長官 (United States Cabinet) 、統合参謀本部(Joint Chiefs of Staff)の将官といった、合衆国の三権と軍の首脳が勢ぞろいする。

 今回オバマは約1時間の演説をしたが、その直後の週末にラジオで3分間のバージョンを披露した。われわれにはこちらで十分だろう。

“The opportunity agenda I laid out on Tuesday has four parts. ”

〈火曜日に披露したアジェンダは4つの部分に分かれます〉

 1月28日火曜日に行われた一般教書演説は、続いて同じ週に各地での「辻説法」で敷衍されたのである。

“Job one is more new jobs: jobs in construction and manufacturing, jobs in innovation and energy.”

〈最初の仕事は、雇用の創出で、建築現場や工場での雇用や、革新的な仕事やエネルギー分野での雇用です〉

“In Wisconsin, I talked with plant workers at GE about part two: training more Americans with the skills to fill those new jobs.

〈ウィスコンシン州ではゼネラル・エレクトリックのプラントで働いている人々と、2番目のアジェンダについて話しました。それは新しい職場に対応できるスキルの訓練についてでした〉

“In Tennessee, I talked with students about part three: guaranteeing every child access to a world-class education, from early childhood, through college, and right into a career.

〈テネシー州では、アジェンダの3番目を学生と話しました。子どもが国際レベルの教育を享受できるようにすること、それは幼児の時から大学、そして職業に就くまでのことですが、これを約束しました〉

“And with steelworkers in Pittsburgh, and retail workers in Maryland, I laid out part four: making sure hard work pays off for men and women, with wages you can live on, savings you can retire on, and health insurance that’s there for you when you need it.

〈そしてピッツバーグの製鉄所の労働者やメリーランド州の小売店従業員とは、4番目のアジェンダを披露しました。男女ともに勤勉さは報いられ、十分な収入で引退後の貯蓄もできて健康保険も必要な時に活用できるようにすると〉

 雇用創出、職業訓練、教育、収入と福祉。これが今回の米国大統領の一般教書演説のエッセンスなのである。大きな外交問題には触れなかった。内向きである。しかし、この内向きな4つのアジェンダさえ遂行するには大きな困難が伴う。共和党が大勢を占めるネジれ議会がその原因の1つだ。

“These ideas will strengthen the middle class and help more people work their way into the middle class. 

〈こうした考えによって中産階級はより強くなりますし、より多くの人々が中産階級の仲間入りをしていくのです〉

Some of them will require Congress. 

〈いくつかの施策は議会の協力が必要です〉

But wherever I can take steps to expand opportunity for more families on my own, I will.

〈しかし、私自身が大統領として単独に多くの家族を導ける道があればそれを切り開きます〉

 つまり議会の承認を得ずに大統領令を行使する、と言ったのである。

 

[今号の英語]odds

 oddsとは、勝算、とか、可能性、とか、差異、とか、不平等、といろいろな意味がある。
 Against all oddsとは、あらゆる困難(ハンディキャップ)をものともせず、という意味だ。オバマは議会の抵抗から生ずる不平等をoddsと表現している。
“And every single day, I’m going to fight for these priorities to shift the odds back in favor of more working and middle-class Americans, and to keep America a place where you can always make it if you try.
〈私は日々、これらの優先順位のために戦い、不平等を労働階級や中産階級のために是正していき、米国が常に挑戦して行く人には何事も成就する国であるという伝統を守り抜いていきたいのです〉
 金持ちを優遇する側とされる共和党は、このオバマの発言に逆上した。株主総会は紛糾するものだ。

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