政治・経済

 経済産業省が今国会に提出した新たな「エネルギー基本計画」の見直しに追い込まれた。原子力発電を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けたが、自民・公明両党が世論や2月9日に投開票された東京都知事選への配慮もあって難色を示したためだ。経産省は原発関連の表現修正で切り抜ける方針だが、「原発推進」と「脱原発」の板挟みでエネルギー政策の迷走が続いている。

 新基本計画は原発事故を踏まえ、2030年に総発電量に占める原発の割合を50%以上に引き上げる現行計画の目標を撤回したものの、原発を基幹電源とする方針は維持。政府内でも総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)が昨年12月に新計画を了承し、1月中の閣議決定を目指していた。

 だが、「ベース電源」という文言に対し、原発依存からの脱却を掲げてきた公明党が、「原発推進の表現が強すぎる」(幹部)と反発。自民党内でも、脱原発派議員が集まるエネルギー政策議員連盟が1月23日、原発を「過渡期の電源」と位置付け、依存度を下げるよう求める提言を公表した。

 そうした動きに安倍晋三政権は敏感に反応。茂木敏充経産相は翌24日の会見で、「(ベース電源が)量的に非常に多い電源であるととられるようなことがあれば、全体の脈略を変更することも考えたい」と見直しを表明した。

 背景には都知事選で、細川護煕元首相ら「脱原発」を掲げる候補者に政権批判の材料を与えてしまうとの懸念もあったもようだ。

 新基本計画の閣議決定は2月以降にずれ込んだが、経産省は「表現は変更するが、原発活用という根っこの部分は変わらない」(資源エネルギー庁幹部)と強調する。政治に翻弄されて揺れ続けるエネルギー政策から脱却し、中長期の指針を確立できるか。新計画の仕上がりが試金石になりそうだ。

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