政治・経済

 みずほ銀行をめぐる問題が一段落し、年が明けた1月16日、今度は保険業界に激震が走った。生命保険会社や損害保険会社が委託して保険商品を販売する代理店の規制強化に金融庁が乗り出したためだ。保険販売の実態調査のため、全社に保険業法に基づく報告徴求命令を発出し、報告を求める。全社への命令は、保険金不払いが大きな問題となった2007年以来、約7年ぶりだ。

 規制強化のポイントは、保険会社が委託した保険代理店がさらに販売を再委託することの禁止だ。保険会社に対する監督指針も改正する。

 販売を再委託することは、いわばグレーゾーンだった。保険業法が販売の再委託を原則として禁止している一方で、現状は代理店で定期的に研修を受けることなどを条件に、外部への再委託がこれまでも行われ、事実上容認されてきた。

 さらに、近年は大型ショッピングモールや駅前で、保険の見直しや複数の保険会社の商品を比較可能とすることを長所とする乗り合い代理店が急増。乗り合い代理店の急拡大は、これまで自動車を購入した販売店や勤務先を担当する生保レディーと言われる営業職員などが手掛ける特定の保険会社の商品からしか選べなかったことを、複数の保険商品から比較し選択可能とし、ユーザーニーズを取り込んだのが理由だ。だが、乗り合い代理店の多くは販売実績に応じた報酬体系を取っており、業界内からでさえ、「一部のショップは自分たちに都合のいい会社の商品を勧めている」と指摘する声が挙がっていた。

 金融庁幹部は「急拡大の裏で、不適切な販売がないか実態を把握、確認し、問題があるなら是正しないといけない」と厳しい表情で話す。

 ただ、保険業界のしきたりや現状を大きく変えかねないテーマな上、乗り合い代理店に押されていた大手生損保が巻き返す一方で、乗り合い代理店を有力な販売チャネルにしていた新興勢力や外資系には打撃となりかねない。報告を受けた金融庁の対応や、業界の行方からも目が離せそうにない。

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