政治・経済

 国土交通省は、公共工事の費用を積算する際の労務単価を、2月1日から全国の全職種の平均で、現行から7・1%引き上げた1万6190円とすることを決めた。

 例年は年1回4月の改訂で、年度内2回の改訂は異例。建設業界の人材不足が深刻で、入札が成立しない不調が引き続き高水準で起きているため。東日本大震災からの復興需要に加え、2020年の東京五輪の準備が年後半以降に本格化するとみられており、状況がますます逼迫することが必至という背景がある。

 昨年4月の前回の改訂では全国平均で12年度比15・1%上げており、今回で同23・2%の引き上げ。岩手、宮城、福島の被災3県は昨年4月から8・4%上げた1万7671円で、今回で同31・2%の引き上げとなる。国交省は14年度以降の引き上げも、状況に応じて検討する方針だ。

 公共事業が長年、減ってきた影響で、建設業界の就業人口は12年実績で約503万人とピーク時(1997年)より3割近く減少した。一方、東日本大震災からの復興需要や大規模改修など公共事業、景気回復を反映した民間需要などで仕事は増加している。

 日本建設業連合会の調査によると、昨年1年間の国内の建設受注額(会員企業48社)は、民間需要と公共事業の合計で前年比21%増の11兆9440億円と、5年ぶりに10兆円を超えた。

 一方、被災3県の公共工事の入札不調の発生率は、土木工事で12年度の16%から13年度(4〜11月実績、仙台市を除く)は26%に上昇した。より利益の高い仕事に事業者が集中する「選別受注」も発生。経営体力の弱い中小事業者ほど人材確保が困難という。

 国交省は労務単価の引き上げで建設業界の待遇改善を目指し、若手の就労者を増やして業界を育成したい構え。その一環で、直轄工事の元請けと一時下請けは14年度から社会保険加入企業に限る方針で、地方公共団体にも同様の検討を要請する。ただ今回の引き上げでも業界の賃金水準は「他の産業より2〜3割低い」(業界団体)とされ、改善には時間がかかりそうだ。

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