政治・経済

 政府は1千万人を昨年突破した訪日外国人で、次の目標となる2千万人を達成する計画を今夏をめどに策定する。東京五輪が開かれる2020年の突破を目指し、日本政府観光局(JNTO)の海外拠点の増設や、入国管理システムを簡素化するなどの具体策を検討。まずはアジアのライバル、韓国に追い付き、追い越すことを目標とする。

 安倍晋三首相は1月に開かれた観光立国推進閣僚会議で「東京五輪という大きなチャンスを得た。20年に向けて(外国人旅行者の)2千万人を目指したい」と話した。具体策は国土交通省の交通政策審議会観光分科会を再開して検討。法務省や外務省など関係省庁と連携して6月をめどにまとめ、必要な経費は15年度の予算要求や税制改正要望に反映させる。

 まずは空港の入国管理では、国際会議の参加者などが事前登録していれば審査を簡素化するシステムを導入することを検討。主要国では一般的な航空機のファーストクラス、ビジネスクラスの利用者向け優先レーン設置も検討する。さらに地方空港での受け入れを拡充するため、入国管理職員の増員も検討する。

 羽田空港の国際線発着枠の増加や都心と成田、羽田の両空港とのアクセス改善などインフラ整備に加え、街中の英語表記や無料の公衆無線LAN「WiFi」の拡充も課題。海外の医師免許を持つ医師の診療を可能にするなど、ソフト面の規制緩和もテーマとなる。

 観光庁では「外国人が日本で居心地良く滞在できる受け入れ体制づくりが『おもてなし』の心に通じる。地方の魅力も掘り起こせばフランスや英国などの観光大国に十分、対抗できる」(幹部)と話す。

 日本政府観光局によると昨年の訪日外国人客数は前年比24%増の1036万3900人と、過去最高だった10年の約861万人を約20%上回った。円安で外国人の訪日旅行が割安となり、昨夏からタイやマレーシアなど東南アジア5カ国の訪日客へのビザの発給要件が緩和されたことも追い風となった。

 今年1月は約94万人と前年同月比41・2%増で中華圏の客が、1月末からの旧正月の休暇が追い風となり大きく増えた。東京電力福島第1原発事故の汚染水問題への不安で低迷していた韓国も復調、前年同月比9・0%増のプラスに転じている。

 
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