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閣僚会合失敗でTPP交渉が漂流し、ドーハの二の舞の懸念--財務省

霞が関ウォッチング

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が漂流している。シンガポールで2月22〜25日に開いた閣僚会合は日米の関税をめぐる対立などから大筋合意を昨年12月に続き断念。次回の閣僚会合開催も未定で、5年目に入った交渉は世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の二の舞になりつつある。

「米国のオバマ政権は影響力がないから、業界団体の言いなりだ」。経済産業省幹部はあきらめ顔で、2月のTPP閣僚会合の失敗を振り返った。

 米国は昨年12月の閣僚会合で大筋合意を断念して以降、国有企業改革などの分野で対立する東南アジアに交渉官を派遣。2月上旬にはフロマン通商代表が自ら南米に出向き、閣僚会合での落としどころを探った。

 日本も甘利明TPP担当相が会合直前の2月15日に訪米し、フロマン代表と会談。その後も事務協議で意見の隔たりが大きい関税分野で話し合いを重ね、「米国も本気で交渉をまとめるつもりになった」(通商筋)と期待が高まった。

 だが、米国は閣僚会合で新興国に国有企業改革などで譲歩する一方、日本には農産品の関税撤廃を強硬に要求。11月の米中間選挙を控え、「政治的な影響力が強い米国内の農畜産団体に配慮した」(同)とみられる。

 日本側は「聖域」とするコメなど重要5品目の一部で関税撤廃・削減を検討したが、「米国から1つも譲歩を引き出さずにこちらが妥協すれば、(高支持率の)安倍晋三政権でも国内の反対派を抑えられない」(政府高官)と判断。結局、日米の対立が最後まで解消できなかったことが響き、大筋合意は先送りされた。

 日米両国は事態打開に向けて事務協議を続け、4月下旬の日米首脳会談までに日米合意に道筋を付けたい考え。だが、経産省内には2008年7月の非公式閣僚会合で合意寸前まで行きながら、米国と中国、インドの対立が解消できず漂流した「ドーハ・ラウンド化」するとの懸念もある。市場開放を求める米国の強硬姿勢は変わりがなく、「米国も少しはドーハ・ラウンドの教訓を学んでほしい」という恨み節も省内からは聞こえてくる。

 
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