政治・経済

 金融庁主導の地方銀行再編がついに本格的に動き出す。3月から各財務局などを通じて、地銀トップに中長期的な経営戦略などのヒアリングを始める方針だ。本店所在地の都道府県を中心とした現在の営業圏内にとどまらず、より広域的な視点での取り組みもテーマに挙がっており、「越境再編に向けて本格的な動きが始まる」(地銀幹部)と見る向きも強い。

 事の発端は1月中旬に行われた地銀頭取らと畑中龍太郎金融庁長官の間で行われた月次の定例意見交換会。席上で畑中長官は、「経営統合などを経営課題として考えてほしい」とこれまでにない口調で強く迫ったという。

 金融庁も畑中長官自身も、地銀の再編に意欲はあったが、これまでは、AIJ問題、金融円滑化法の出口戦略、公募増資をめぐるインサイダー事件など目の前の課題に取り組む必要に迫られ、地銀の再編に取り組む余力がなかったのが現実だった。

 2年で交代が慣例の金融庁長官としては異例の3年目を迎えた畑中長官も「今夏にはさすがに交代になるのではないか」との見方は、金融庁内はもちろん、霞が関でも根強い。任期最後の集大成として、地銀再編をテーマに取り組むことは十分にあり得ることだった。

 中長期的に人口が減少する中、地方では先行して少子高齢化と人口減少が進み、アベノミクスによる景気回復の恩恵が及ぶのも遅れている。新しいビジネスモデルを構築し、金融システムの安定を強化することは喫緊の課題でもある。

「長官がここまで言った以上、夏までに何らかの動きがあると見て間違いはなさそうだ」との見方が金融業界では大勢だ。

 ただ、金融機関には多くのステークホルダーが関与する。経営統合をしたものの、相乗効果が発揮できないでは本末転倒だ。金融庁と地銀の双方が、地域経済の再生や振興、ひいては日本経済全体の成長に資する取り組みへとつなげるよう、関係機関との連携など慎重かつ大胆な取り組みが求められる。

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