政治・経済

 年度末商戦まっただ中のスマートフォン(高機能携帯電話)業界だが、新聞紙上ではスマホの利用料金の高止まりが繰り返し指摘されている。曰く、販売競争の過熱で通信各社が値引きの原資となる販売店向けの販売報奨金を際限なく積み増して他社からの乗り換えを助長するから、その恩恵に預かれない長期利用者が負担を肩代わりする構図になっているという。

 中でも、日本経済新聞では今年に入って、スマホ値引合戦のコストを長期利用者が負担し料金が高止まりしているから是正が必要だ、といった主張のキャンペーン記事が経済面トップ級の扱いで繰り返し掲載されている。

 3月3日付朝刊では「スマートフォンの安売り競争で利用者の不平等感が強まっている。他社からの乗り換え客に1台当たり7万〜8万円ものキャッシュバック(現金還元)を出すなど顧客争奪戦は過熱気味。NTTドコモなど携帯電話大手3社が値引きに投じた資金は合計で年1兆円に達した。利用料は高止まりし、そのコストを長期ユーザーが負担するというゆがんだ競争に陥っている」と通信事業者を強く批判している。

 スマホの料金が従来型携帯電話に比べて高過ぎるというのは、総務省も同じ考えのため、一見、総務省の意向を反映したヨイショ記事のようだが、裏にはより切実な理由があるようだ。

 内閣府調査などで、1世帯当たりの通信費支出が増え続ける一方、新聞購読者は漸減傾向が止まらない状況が鮮明になっている。スマホにつぎ込んだ分、新聞など紙媒体への支出が減っているわけだ。つまり、スマホの料金が下がらなければ、新聞の購読数減少が加速するとみており、中でも「朝夕刊セット販売の崩壊を恐れている」(全国紙記者)ようだ。

 既に、産経新聞社、毎日新聞社は一部地域で夕刊発行を取り止めており、夕刊が全国紙の経営の負担になっている。夕刊の発行部数減は是が非でも食い止めたいところ。全国紙からみれば、最大(?)の要因であるスマホの高止まり料金は許せないというところだが、これには総務省幹部も「いや、日経は徹底しているね」と苦笑する。総務省も、規制緩和の一方で料金低廉化を求める競争政策の見直しを検討しているが、方針がまとまるのは11月下旬の見通し。新聞の通信事業者叩きは当分、続きそうだ。

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