政治・経済

羽田発着枠をめぐるJALとANAのバトル

 国土交通省は、日本航空(JAL)が申請していた羽田空港発着のベトナム・ホーチミン線(夜間帯)の新規開設を認可する方針を決めた。3月下旬に正式に認可する。

 羽田空港の発着枠の拡大をめぐっては、公的資金で再建したJALとの公平な競争を担保するため、昼間帯で全日本空輸(ANA)に有利な配分が行われていたが、JALが夜間帯の新規路線で巻き返しを図った格好だ。

 国交省が昨年10月に配分した羽田空港の国際線発着枠(往復便)は全日空11に日航5。ビジネス需要が見込めるアジア路線は、ほぼANAに渡った。

 危機感を抱いたJALは使われていなかった夜間帯に着目、ANAがハノイ線を新設するベトナムで、対抗してホーチミン線の新設を申請していた。

 国交省が2012年8月に示した方針では日航の中期経営計画(12〜16年度)の期間中、新規投資や路線計画について「報告を求め状況を監視する」とされている。

身軽になったJALと収益格差拡大に反発するANA

 ただJALとANAを傘下に持つANAホールディングスとの体力差は、昨年10〜12月の第3四半期決算の最終利益で4倍もの開きが出た。会社更生法と公的資金による再建で身軽になったJALが収益を拡大している構図だ。

 そのためANAは「これ以上の収益格差を引き起こすJALのホーチミン線開設は認められない」と強く反発。自民党議員などに応援を依頼するロビー活動を展開していた。

 とはいえ国交省は昨年8月の方針が、JALの新規路線の開設を、「完全に抑制しているわけではない」と判断。航空法101条ではJALなど航空事業者からの申請について、安全性や計画に問題がなければ許可しなければならないとされている。

 ベトナム路線は今後のビジネス需要の拡大が見込めることもあって、JALの申請を認可する方針を早い段階で決め、自民党議員の説得に当たり、ANAを封じ込めた。

 不毛なJALとANAの中傷合戦には国交省も食傷気味。「日航は16年度までの監視機関中、静かにしていてほしいし、ANAには前向きな経営改善策を出してほしい」と両社に「大人の対応」を求めている。

 

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