政治・経済

 自民党、民主党、公明党など6党の超党派議員による「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」が、カジノを合法化して解禁するための推進法案と、実施要綱案を正式決定した。2020年の東京五輪開催に向け、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を整備するのが狙い。月内に各党内の手続きを終え、議員立法として今国会に提出し、来年の通常国会での成立を目指す。

 訪日外国人の増加を目指す観光庁は表向き「対応にはニュートラル」(幹部)と話す。ただ実現には反社会的勢力の排除など課題は多く、国土交通省は「できればやりたくない」(幹部)というのが本音だ。

 カジノは、東京五輪開催に向けた統合型リゾート整備の一環で、東京・台場が候補地の1つとされる。政府が検討する国家戦略特区では三井不動産と鹿島、フジテレビが台場の整備計画を共同提案した。

 総じて経済界は前向きで、大阪商業大学の試算では、日本にカジノが設立された場合の経済波及効果は最大で約7兆7千億円。団塊の世代を中心する中高年や訪日外国人の楽しみにもなり得る。そのため「インフラ整備で新規需要が見込める」(大手建設会社)「東京の魅力を高める街づくりに貢献できる」(大手不動産会社)「外国人観光客誘致のきっかけになり得る」(大手旅行会社)「ビジネスチャンスが広がる」(ゲーム機器メーカー)といった声が出ている。

 こうした声をよそに国土交通省が慎重なのは、反社会的勢力などトラブルが起きた時の対応について制度がまだ整っていないため。

 推進法案では内閣に推進本部を設けると規定。カジノ事業者を規制するためのカジノ管理委員会を内閣府の外局に置き、推進法成立から1年以内に政府が具体的な実施法を整備するとした。要綱案では、カジノ事業者を国による「免許制」にすることや逮捕権限を持つ「査察官」の創設も盛り込んでいる。

 こうした制度の責任の所在がまだ曖昧なことが、国土交通省の姿勢の背景にある。「街造りの中でカジノをどうとらえるかの視点が欠けている」(大手旅行会社)という指摘もあり、実現までには紆余曲折がありそうだ。

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