テクノロジー

イラスト/坂木浩子

イラスト/坂木浩子

 日本は大きな国難を経験するたびに、国民の結束力と忍耐力とで大きな飛躍を遂げてきた。江戸末期、欧米列強がアジアに次々と食指を伸ばし、日本も風前の灯であった。明治維新の後、弱体だった政府の素早い富国強兵策の展開は驚愕に値する。

 岩倉具視が率いた107人の大使節団は政府要人も多数含み、その見聞の広さと深さが日本を変えた。6千人にも達する「外国人教師」を日本は招聘し、当時の閣僚より高い給与を払ったとされる。大学を開き、製糸場や製鉄所を開き、大型土木工事も始まった。驚くことに1892年までには何と東京〜大阪だけでなく、青森までの鉄道が全通している。

 第2次世界大戦の敗戦から、日本は民主主義国の一員として立ち上がり、「東洋の奇跡」と呼ばれる高度成長をなし遂げた。

 1970年代になると、中東危機によって2度のオイルショックが世界を襲った。石油価格が5倍にも高騰し、エネルギー資源に乏しい日本では狂乱物価の様相を呈した時期があった。この時の日本は経産省を中軸に「重厚長大」型から「軽薄短小」型へと組立加工産業に重心を転換した。また、徹底した産業の省エネを押し進めた。アルミ精錬業など電力多消費型の産業は日本から撤退させた。

 象徴的な出来事は、70年代後半からの「低公害、低燃費車」へ向けた技術開発であった。ホンダのCVCCエンジンの開発を先頭に、現在のハイブリッドカー時代、さらに電気自動車や燃料電池車にまで続こうとする技術トレンドを日本が生んだ。

 2004年頃から再び石油価格が高騰を始め、07年にはまた5倍にまで上がり、現在はまだこの「第3次石油危機」の中にある。今回は資源枯渇の顕在化の中で、金融先物買いなども関連するとされ、一過性のものではないとされる。これに日本の原発事故が重なった。

 この問題への対応策は①イタリアやオーストリア、デンマークなどのように直ちに原発ゼロで通す、②ドイツなどのように10年程度かけて脱原発する、③スウェーデンなどのように、当面、原発は維持して、化石エネの使用をまず優先的に減らす、④英国のように再生可能エネも原発も増やす可能性を残し、当面様子眺めをする、などである。

 日本がどの路線を選ぶことで国民の士気が最も上がり、未来への協力が得られるのかを為政者はきちんと見る必要があろう。

 

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