テクノロジー

イラスト/坂木浩子

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 科学技術の特徴は、その応用範囲が広いところにある。にもかかわらず、科学技術に関する投資は、他の政策と同様に縦割りのものが多い。開発投資の有効活用のためにも分野を超えた技術展開の在り方が問題となる。技術のスピンオフは、軍事技術関連が多いが、かつてのNASAプロジェクトにおいても、数値計算、品質管理技術、新素材等の多くの技術が、産業界にもたらされた。

 わが国では、原子力の分野に多額の研究投資がなされてきたが、その技術の他分野への応用が幅広く行われているとは言い難い。原子力の技術とは、放射線を封じ込める技術だけではない。もともと、原子力技術の特徴は、総合化技術というところにあるが、個々の技術にも優れたものが多く、特殊金属の溶接やクラックを押さえる技術等の機械加工技術にも高いものがある。福島の原子力施設の事故収束に使用され始めた新技術も、狭所での作業可能となるロボットは、将来高所や狭所での作業を画期的に変える技術要素を持っている。また、国、地方行政、事業者が一体となって構築しようとしている原子力防災の体制に関しても、今後化学プラント等の巨大システムへの展開も検討されるであろう。

 原子力で開発した科学技術や安全技術は、多くのシステムにも適用でき、また多くのシステムから原子力も学ぶべきだ。

 例えば、原子力の安全強化には、地球シミュレーター規模の演算能力を持つコンピューターを使ったリスク解析は、必須になる。原子力と同様に巨大システムである宇宙開発の革新技術も学ぶべき対象だ。2013年11月に打ち上げられたイプシロンロケットには、革新的な打ち上げシステムが採用された。イプシロンロケットでは、モバイル管制と呼ばれる数人と数台のパソコンでロケットの打ち上げ前点検や管制を行うことを可能にしたり、次世代の宇宙機用ネットワーク規格として国際的に標準化の考え方を取り入れることで互換性を高め、機体構成の変更や、部品の枯渇への対応を容易にするなどの技術開発がなされている。

 一方、宇宙開発事業においても、原子力分野の持つ安全技術開発のノウハウは、学ぶべきものが多いはずだ。

 中国は、月探査衛星「嫦娥1号」を打ち上げ、月の資源開発へ挑戦を始めている。日本も分野ごとの非効率的な科学技術開発を行っている余裕はない。

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