文化・ライフ

将棋熱が高まる中国ですが、指導者不足が悩みの種

将棋熱が高まる中国ですが、指導者不足が悩みの種

 先日、久しぶりに上海に行ってきました。

 以前この欄でご紹介しましたように、中国では日本の将棋を授業で取り入れている学校が多数あり、指せる人が既に10万人を超えているとのことです。上海で熱心に将棋を普及してくださったのが、許建東さん。日本へ留学中に将棋と出合い、これは教育にとても良いゲームだというので中国に戻って広めてくれたのです。

 私が15年ほど前に初めて上海に行った時は生徒のほとんどが中国人の子でしたが、現在は日本人学校にも教えに行っているそうです。日本の子どもたちが中国で将棋を覚えるって面白いですね。国同士はいろいろと摩擦がありますが、将棋が両国の懸け橋になれたらうれしいですね。

 今回は市内の中学校と「上海市青少年将棋棋王戦」にお邪魔してきました。中学校は70人ほど、大会は130人ほどの参加でした。どちらも子どもたちに駒落ちで多面指しを行ったのですが、1手数秒でホイホイ指して回って行く姿に、周囲からどよめきにも似た笑いが! プロ棋士を初めて見たという人がほとんどなのですから、無理もないですよね。大会ではそのほかにも定跡講座を行いました。基本の手順を手短に教え、繰り返し暗記。すると、本番でみんな実際に試したようで、

「先生が教えてくれた作戦でやったら勝ったよ〜!」と、何人もの子どもたちに声を掛けられました。

 上海では現在、指導者不足が悩みの種です。学校では退任された校長先生や教職員の方々がルールを教えているのですが、そこから先の定跡を教えられる人が圧倒的に少ないのです。日本のような将棋教室も数えるほどしかなく、せっかく覚えても強くなれる環境にないというのが現状です。

 もう1つの問題は、スポンサーがなかなか見付からないこと。大会を開催すると100〜200人は簡単に集まってしまうのですが、会場を借りるのにもお金が掛かります。昨今の日中関係を鑑みると、なかなか支援を申し出てくれる日本企業もありません。これらの問題が解決できれば、一気に市場が拡大できると思うのですが……。

 
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