政治・経済

 市販楽曲の適法利用を促す目的で設立された一般社団法人・音楽特定利用促進機構(ISUM)が、結婚式や披露宴で流すビデオなどの音楽著作権・著作隣接権処理を円滑にするサービスを始めた。ISUMは1月20日から、ブライダル演出で利用される楽曲の著作権・著作隣接権の処理をオンライン上で簡単にでき、コンプライアンスが確保できるシステムのテスト運用を開始していたが、4月1日から本格運用を開始する。アブラモフ代表理事に、その狙いや今後の展開について聞いた。(本誌編集委員/榎本正義)

アレクサンダー・アブラモフ氏の描くブライダル業界の未来

【アレクサンダー・アブラモフ】
1950年東京都生まれ。75年上智大学卒業後、ミュージック・ラボを経て、日本フォノグラム(マーキュリー・ミュージックエンタテインメント)、ポリグラム(現ユニバーサルミュージック)などを経て2012年「Music for Bridal Initiative 〜ブライダル演出における音源使用を考える会〜」を発足。13年10月、一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM)を設立。

-- なぜこのシステムを考え付いたのですか。

アブラモフ ブライダル市場では結婚披露宴、2次会パーティーの演出、結婚記念品などの用途で、市販楽曲を利用した演出や商品が不可欠なコンテンツとなっています。一方で、楽曲の利用の際には各権利者に許諾を得る必要があり、利用窓口の一元化を望む声がありました。私は音楽業界に長くかかわってきましたが、たまたまブライダル業界の方の声を聞く機会があり、音楽業界での経験を、こうした要望に応える上で生かせるのではないかと考え、市販楽曲の適法利用スキームによる著作権・著作隣接権の許諾申請・代行収受を行うワンストップ・システムを提供するに至りました。

-- レコード業界、ブライダル業界それぞれの背景を。

アブラモフ レコード会社にとっては、まずヒット曲を出すことが大切ですが、並行して過去の楽曲を活性化させることも大事。アーティストにとって自分の楽曲が結婚式という場で使われることはマイナスイメージが絶対にない。ブライダル業界にとっては、音楽は無くてはならないもので、市販楽曲が使われることで結婚式が一層華やかになります。双方の業界にとってWinWinなのです。

-- 対象楽曲は。

アブラモフ スタート時は、日本レコード協会を通じて各レコード会社に許諾を得たブライダルシーンで人気のヒット曲・スタンダード曲を含む約600曲が対象です。利用者からのリクエストを募り、随時楽曲を増やしていきたいと考えています。

-- 利用料はいくらですか。

アブラモフ 1曲当たり2千〜4千円程度です。利用申請から申請内容に合わせた支払料金の代行収受、正規利用者、対象製品への認証管理をISUMが行います。各権利料は、著作権管理団体(日本音楽著作権協会、ジャパン・ライツ・クリアランス、イーライセンス)および日本レコード協会を通じ、権利者へ支払われます。

-- 著作権、著作隣接権の保護期間は。

アブラモフ 著作権は、著作者の没後50年です。著作隣接権は、音が最初に固定されてから50年です。

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