[連載] 世界が見つけたNIPPON(Vol.2)
外国人観光客を取り戻せ!〜日本を愛するスイス人のプロジェクト〜
2013年12月17日

日本を訪れる外国人観光客の数は、2012年は837万人。今年9月に、20年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まったことで、大幅な増加が見込まれている。
しかし、11年に起こった東日本大震災や福島第一原発の問題もあり、一時期は30万人超の観光客が減少していた。
そんな時に、日本に外国人旅行者を呼び戻そうと、立ち上がった人たちがいる。
ゲストのロルフ・ミュラーさんをはじめとする3人のスイス人が主催するイベント「We Love Japan Tour 2013」がそれだ。
きっかけは、スイスの旅行会社で日本を担当していたトーマス・コーラーさん。彼は震災の影響で訪日旅行者が減り、仕事を失ってしまったのだ。
しかし、トーマスさんは新たな仕事を探すのでなく「恩返し」のために日本にやって来た。自分の足で北海道から九州まで約3千㌔を5カ月かけて歩き、日本は安全で安心して旅ができる場所だと世界に伝えた。旅の様子は日々のブログで発信され、映画にもなった。
共感したロルフさんたちが立ち上げた「We Love Japan Tour 2013」はあっという間に広がり、スイス大使館や日本政府観光局をはじめ、観光を通じ地域経済振興に取り組む三井物産関西支社の支援も受けた。
日本を縦断するのに、2人の女性が東と西からそれぞれ歩き、ほぼ日本の真ん中にあたる糸魚川で再会する。宗谷岬を出発する東ルートはフィンランドのカロリーナさん、鹿児島の佐多岬からスタートする西ルートは、シンガポールから来たレイナさんが旅する。
彼女たちの旅の様子は番組に任せるが、終わった後の彼女たちの感想をロルフさんに尋ねると、「彼女たちに今回の旅でどこがいちばん印象的だったか、尋ねたのですが、2人とも『人が温かかったところ』と答えました。場所が挙がるかと思っていたので驚きました。彼女たちの様子を見れば、女性の一人旅でも安全だと世界の人に分かってもらえますね」とイベントの成功を喜ぶ。
番組では、さらに和食の魅力を世界に発信する安藤エリザベスさんの料理教室にも潜入し、彼女が伝える日本人も気付かない和食の魅力に迫る。
ゲストのロルフさんは、訪日する外国人観光客が、世界最大の観光国であるフランス(年間8千万人)に比べて、10分の1でしかない現状についても、「あれもこれも見てほしいと、詰め込むツアーが多いのではないでしょうか。1カ所にゆっくり滞在する観光の仕方が提案できれば、日本の地元の人たちとの触れ合いも増えますし、また来たい、もっと長く滞在したいと思うはずです」と述べた。その理由として、「日本人の気付いていない日本の魅力は、東京や京都などの観光地ではなく、ふだんの街の中での人との触れ合いにあるんですよ」とロルフさんは語った。
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