政治・経済

「軽薄短小」の間違いではないか。多くの方々がそう思われたに違いない。「軽薄短小」は高度成長期の後半、重厚長大型の重工業中心から、技術集積型の付加価値の高い軽薄短小型のハイテク産業へと産業構造が変化していったころによく使われた言葉であることは説明不要であろう。

 地球温暖化をはじめますます環境問題への関心が高まる中、新たな付加価値として「環境」が注目されるようになって久しい。今やエコと銘打った製品の広告を見ない日はない。

 そこで「軽薄炭少」である。物の動きには欠かせないパッケージの世界においてその動向は経済、社会の動きと表裏一体の関係にある。時代の風を読み取り、より消費者に支持される商品として、パッケージの側面からいかに付加価値を高めるかが重要になっている。そのキーワードが「軽薄炭少」なのである。

 より軽く、より薄く、CO2排出も少ないパッケージづくり。それがわれわれパッケージメーカーに課された課題である。

 パッケージづくりは、ある意味で建築に通ずるところがあるが、建築工学の基本は、ローマ時代の昔から「用(機能)、強(構造)、美(美しさ)」の3つを兼ね備えることだといわれる。それをさらに発展させ、効率的により資源を少なくということで出てきた言葉が”Less is more.”だ。その意味はできるだけ資源は少なく使いつつ、より多くの付加価値をつくりだすということだ。

 今、米国ハワイ州で唯一となる段ボール工場を建設中だ。その地鎮祭のスピーチでわれわれの考える”Less is more.”とは何かを披露した。

 すなわち”Less carbon emissions”炭素の発生はできるだ
け少なく、”Less energy consumption”エネルギーの消費はできるだけ少なく、そして”High quality products with more value-added”より付加価値の高い高品質な製品をつくることだと言ったところ参列者から大喝采を浴びた。

 レンゴーではパッケージ製品のみならず、その生産プロセスにおいても軽薄炭少を強力に推進している。その好例が、2010年に開業した福島矢吹工場である。

 既成概念にとらわれず、未来に胸を張れる理想の段ボール工場を目指し、昼間の工場使用電力のすべてを太陽光発電で賄うほか、環境保全に関する技術とノウハウを結集し、旧工場比CO2の約40%削減を実現した。とても採算が取れないと言われたが、今や東北地区の基幹工場として、また世界トップレベルの工場として、内外から高い評価をいただいている。

 シンプルで分かりやすい言葉を掲げ、あとは大胆かつ揺るぎなく、スピード感をもって行動する。私の行動原理とするところだが、レンゴーグループでは「軽薄炭少」と”Less is more.”を掲げ、環境価値の高いパッケージづくりを強力に進めている。

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