
リニア中央新幹線の開業は、経済効果10兆円以上と試算され、沿線地域に大きなインパクトを与えるとともに、「東京と愛知・名古屋が1つの経済圏・生活圏」となることともいえます。当地が日本の代表的な地域となるよう、モノづくりに代表される得意分野に磨きをかけるとともに、地元官民が一体となり中部圏全体を見据えた魅力ある地域づくりに取り組んでいく必要があります。
名古屋商工会議所では、昨年3月に「リニア中央新幹線開業を見据えた当地の地域づくり」に関する提言を取りまとめ、名古屋の「都市力」強化を図りリニアインパクトを当地のさらなる飛躍につなげる必要があることを提言しました。
また、昨年6月には経済界と地元有識者により、名古屋の街づくりの成長戦略である「ナゴヤ・グランドビジョン」策定の提言を取りまとめ、名古屋駅を日本一便利で使いやすい駅にすることなどを提言しました。
名古屋駅再開発の3つの課題
名古屋駅の整備については、3つの課題があります。
1つ目は、「乗り換え利便性の向上」。現在の名古屋駅は、5社・9路線が乗り入れる国内有数の拠点駅で、新幹線から中部国際空港への乗り換えなど、鉄道相互の乗り換えが複雑で分かりにくいといわれます。主要交通機関への乗り換え利便性に優れた、名古屋駅にするためには、乗り換え距離の短縮と錯綜する導線の見直し、アップダウンの最小化、共通コンコースの整備など、事業者の枠を超えた一体的な再開発が求められており、開業までに、これらの問題を解決することが必要です。
2つ目は「高速道路ネットワークの改善」。名古屋駅は鉄道間の乗り換えだけでなく、高速道路ネットワークと有機的に連携させるなど、自動車交通等のアクセス整備の向上が必要です。具体的には名古屋駅近傍に高速道路を乗り入れ、当地の恵まれた高速道路ネットワークと鉄道ネットワークを接続させることで、道路・鉄道の双方の利便性を向上させ、名古屋駅を中部圏全体のゲートウエーとして機能させることが望まれます。
3つ目は「名駅地区全体の整備」。これは「駅と道路と地下街の一体的な大改造」を進めることで、事業者、地権者、地下街など利害が絡む多数の関係者間の調整が必要です。
名古屋駅の整備と併せ、名古屋の伝統ある顔である栄や中地区の活性化も必要です。
名駅地区が東西からのゲートウエーである、ビジネス拠点であるのに対し、栄地区は歴史・文化や豊かな緑にあふれる都心として、さらなる発展の可能性を秘めています。名駅地区と栄・中地区が一体となって整備されることで、欧米やアジアを中心とするインバウンド客の誘致など来街者の増加にもつながり、活発にヒトやモノが行き交い、躍動感あふれる「世界交流都市・名古屋」が実現することを期待しています。
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