政治・経済

昨年6月、九州経済連合会の会長に麻生泰・麻生セメント社長が就任した。九経連会長ポストに、九州電力会長経験者以外の人物が就くのは初めてである。麻生氏は九経連の理事、国際委員長などを歴任してきた国際派。また麻生氏は麻生太郎・副総理兼財務大臣の実弟で知られる。九州経済の現状と将来の展望を聞いた。(聞き手/本誌編集委員・清水克久)

 

“九州から日本を動かす”という気概をもつ

 —— 九州経済の振興に向けて、九経連としてどのような取り組みをしていますか。

 麻生 九経連では、具体的なビジネスの成果・実績を重視しており、「九州から日本を動かす」をミッションに掲げています。また、九州では東京の霞が関ほど省庁の壁はなく、フットワークもいい。例えば九経連では九州経済産業局、九州農政局などのバックアップを受けながら、2月に九州7県のJAが一丸となって九州の農水産物などを売り込む販促イベントを香港で開催しました。

 —— 九州は観光資源の宝庫でもありますね。

 麻生 「観光を九州の基幹産業にする」と位置付けており、石原進九州観光推進機構会長(九州旅客鉄道会長)を中心に、九州の観光消費を2010年の2・1兆円から16年には2・7兆円へ増やすという数値目標を掲げています。

 日本はアセアン諸国の人々が最も訪れたい国であり、特に九州が誇る温泉や豊富な山海の幸は大いにアドバンテージがあります。九州の観光産業の課題は、外国人観光客とのコミュニケーションスキルの向上や、サービスのレベルをもっと上げていくことです。九経連としては関係者と協力しながら、観光サービス産業が右肩上がりで伸びるような企画や仕掛けを一緒に考えていきたいと思っています。

 —— 医療・ヘルスケアも将来性が期待できる分野ですね。

 麻生 日本では、介護保険は対GDP比で7%しか利用されておらず、平均寿命は世界1位です。医療・ヘルスケアは長寿社会と少子高齢化の日本でも必ず伸びる産業です。日本の優れた医療先端技術はモデル化されて、世界に役立てられる力を持っています。これから少子高齢化を迎える中国や韓国も日本の少子高齢化対策のモデルを後追いするでしょうから、必ずしも少子高齢化をネガティブに考える必要はないと考えています。

 しかしながら医療に対してはさまざまな厳しい規制があります。例えば日本では国内メーカーの医療機器の認証に時間が掛かり、輸入超過状態です。このような構造上の欠陥は早急に改善していただきたいと思います。

 

会員から必要とされる新しい九経連に

 —— 九州電力の出身者ではない方がトップとなり九経連も大きく変わるでしょうか。

 麻生 九経連に対する要望はさまざまであり、各県の会員からは少し“福岡寄り”なのではないかというお声もあります。それでも各地の皆様からは九経連の活動に関心を持っていただいており、九州各地で開催している地域委員会で訪問した際に直接会ってお話しいただけることは、私にとって大変刺激になります。

 会員の皆様とは、このまま何もしないで縮小均衡していくのか、アジアに出ていくのかなど、いろいろと話をしますが、「煮詰まる日本」にとどまるのではなく、「伸びゆくアジア」への進出、あるいは引き込むことが重要だと考えています。

 九経連では、九州企業の海外進出をサポートする目的で、「国際ビジネス推進室」(IBC=International Business Center)を設置しています。海外でビジネスをしようとするとき、一番大切なものはローカルパートナー選びです。IBCには経験豊かな大手商社の出身者がおりますので、大いに活用していただきたいと思います。

 IBCをはじめとして「九経連は頼りになる」ということになれば、人が人を呼ぶではありませんが、それこそ相乗効果によって九経連がこれまで以上に活気づき、会員と共に成長していけると思います。

 —— これからの九経連の目標や課題は。

 麻生 アジア各地で締結した国際交流協定(MOU)を積極的に活用し、その成果を1つずつ形にしていくことがこれからの課題です。会員から求められる「九経連」となれるように、経済団体として実質的にパワーアップするとともに、九経連へ出向している職員にとっても、九経連での経験が人脈の形成や情報取得、国際交流に資するものになるよう、より魅力のあるものにしていきたいと思います。そして国際対応力を高め、国際的にもクローズアップされる団体になりたいと考えています。

 

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