文化・ライフ

 大阪といえば、「食い道楽」か「笑いの街」というくらい、食事と笑いにこだわりが強い。

 大阪のターミナル、梅田駅から阪急電鉄宝塚本線に乗って約20分、電車は池田駅に到着する。

 この兵庫県と境を接する池田市の街おこしは「笑い」。しかも落語だ。今回番組では落語家の桂雀々さんが池田市を歩く。

 池田市の商店街を歩くと、店ごとに落語のネタが書かれている。

 一店一席と呼ばれるこの取り組み、例えば、和菓子屋さんの池田きんときさんには、「きんとき福小判」という商品がある。これは「愛宕山」という落語が元になっているのだ。

「愛宕山」という話は、ある男が遊びに行って小判を谷に落としてしまう。小判を拾おうと落ちた谷底まで傘を借りて飛び降りたはいいが、帰り方が分からないという話。その小判をモチーフにできたお菓子が、きんとき福小判だ。お店の中に落語のネタに関する商品がある。

 ほかにも、珈琲豆専門店では、ネタの「はてなの茶碗」がドリッパーに、洋菓子店では「ちりとてちん」が豆乳を使ったケーキに変わる。

 街を散策するだけで落語の世界に入り込める工夫に、ゲストのオーストラリア出身で、バルーンアートなどのパフォーマーであるクリス・ソシクさんも「面白く食べる、元気になって食べる」という街づくりは新鮮に映ったようだ。

「落語家の方に英語で落語をする方がいるんですよ。私も一度聞きましたが、座布団に座って、扇子や手ぬぐいの使い方を最初に教えてくれたこともあって、みんな大爆笑でしたよ。終わった後もスタンディングオベーションでした」と落語が世界でも通用すると断言する。

 池田市では、夜の街でも落語にちなんだイベントが目白押し。「池田落語バル」は、落語家を招き食事をしながら落語を楽しめる。大阪の男が冷え性にはイノシシの肉が効くと池田まで買いにくるネタ「池田の猪買い」もそのひとつ。猪料理を味わいながら、街の歴史や名産も知れる。

 さらに、2007年には、「落語みゅーじあむ」が完成、館長はあの桂文枝さんだ。

 ここでは、アマチュア落語家入門講座も行われており、上は89歳から下は小学4年生まで70人が受講する。また、アマチュアの大会も盛んに行われ、いつも上位に入る、にしゃんたさんは、スリランカ出身の大学の准教授。国際色も豊かで、笑いは国境も超える。

 一度「落語」という笑いのフィルターを通すことによって、池田の街の印象も変わり、愛着も芽生える。落語であっても、他の伝統芸能と同じように、実際に触れてもらわなければ良さを十分に伝えることは難しい。だからこそ、街を案内してくれた桂雀々さんも、池田の街に感謝する。笑いが巻き起こす池田市の様子にクリスさんも、「『ラフ イズ ベストメディスン』笑いは一番の薬ですね」

 大阪が懐かしくなったようだ。

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