政治・経済

 スマートメーター(次世代電力計)関連株が一斉高。「次世代電力計の普及加速」などと報じた10月28日付日本経済新聞報道がキッカケ。東光高岳HD(6617)、大崎電気工業(6644)の2銘柄が値上がり率上位に並び、東光高岳HDは、昨秋経営再編後の上場来高値更新となった。

 東京電力(9501)は28日、日経報道を追認する格好で、スマートメーターの全世帯(2700万世帯)設置計画の3年前倒しを正式発表。従来、2023年度に予定していた導入完了を20年度に早めるもので、来年度に190万台、再来年度に320万台など順次、導入ペースを上げていく。

 もともと、経済産業省による9月11日の次世代電力計制度検討会で東電に前倒し導入を求めていた経緯がある。スマートメーターによって電力消費量を瞬時に把握できれば、正確な需要予測や柔軟な料金設定が可能となり、消費量抑制や電力サービス競争につながるためだ。既に普及率100%に達したイタリアやスウェーデンなど、諸外国に比べた普及の遅れも背景にある。

 従来の機械式メーターでは約5割のトップシェアを握るのが大崎電気。サイト上の「製品情報」でも、主力の電力量計のすぐ下に「スマートメーター」を配し、スマートマンション向けなど積極的な新製品投入を行っている。

 一方で、子会社の東光東芝メーターシステムを通じてスマートメーターを手掛けるのが東光高岳HD。東芝の提案しているスマートグリッド関連の規格が国際標準になる見通しとなったことも追い風。東電は、34・8%を保有する筆頭株主でもある。4月26日に策定した中期経営計画では、新事業・新商品戦略の「スマートメーターへの取組み」の中で、「海外企業も参入した中での競争となるが、これまで培ってきた力をベースに効率的な生産体制を整備し、トップシェアを目指す」とうたい上げている。

 このほかに東電の電力計を供給するのは、三菱電機(6503)と、富士電機(6504)の子会社で一昨年から本格参入したGE富士電機メーター。電力関連専業の2社ほどではないが、三菱電、富士電の上昇も目立つ。富士電は25日開催の決算説明会で電力プラント関連受注の急増を明らかにしたことも背景となった。

 なお、今回発表されたスマートメーター3年前倒しの効果が顕在化するのは、まだ先の話。関連株が好反応を示した背景には、将来的な期待感に加え、足元の割安感も挙げられよう。大崎電気は、PER13倍台で、PBR(株価純資産倍率)0・8倍。4~6月の経常利益進捗率が中間期計画の64%に達し、増額修正も期待される。東光高岳HDも、PERこそ24倍とやや高めながら、PBRは0・6倍台にすぎない。先行きの好望を踏まえれば、一段の見直し人気が向かっても不思議はなさそう。

 なお、28日は、感覚の似通った電力機器メーカーで、日新電機(6641)も前週末発表の収益増額修正を受け、一時17%近い急騰。電力関連への話題が相次ぐ格好となった。

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

永濱利廣

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

[連載] 深読み経済ニュース解説

日銀による追加緩和決定の影響は!?

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

ワンマンシリーズ(7)稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫〈1〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

実録! 関西の勇士たち

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第19回)

ワンマンシリーズ(6)三和の法皇・渡辺忠雄〈3〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第18回)

ワンマンシリーズ(5) 三和の法皇・渡辺忠雄〈2〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

ワンマンシリーズ(4) 三和銀行の法皇・渡辺忠雄〈1〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第16回)

ワンマンシリーズ(3)住友銀行に残る堀田の魂魄

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

「創造と変革」を掲げリーダー教育事業を展開しているグロービス。未来が予見しづらい混迷の時代を迎え、まさに新たな時代を切り拓いていくリーダーが求められている。そのような状況を受けて、グロービスは昨年、新たに執行役員以上に限定したエグゼクティブ向けのプログラム「知命社中」を開設した。[PR]次世代を担う経営リーダ…

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

「支持政党なし」をつくった男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

新社長登場

一覧へ

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

創業から95年、海外に進出してから50年以上たつ国際派企業の高砂香料工業。合成香料では日本最大手であり、国際的にも6%以上のシェアを持つ優良企業だ。100年弱の歴史を持つ高砂香料工業── まず御社の特徴をお聞かせください。桝村 1920年創業ですから、2020年に100周年を迎える香料の専門メーカーです。基本…

桝村 聡

「ネット広告が変わってもクライアント本位の姿勢は変わりません」--バリューコマース社長 香川仁

「最新情報を発信、人と企業の働く環境を良くしていきます」--マンパワーグループ社長 池田匡弥

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

デザイナーズ家具のEC販売で業界の“常識打破”に挑戦――リグナ社長 小澤良介

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 教育部門と…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

企業eye

一覧へ

不動産の現場から生産緑地の将来活用をサポートする――ホンダ商事

ホンダ商事は商業施設や宿泊施設の売買仲介、テナントリーシングを手掛けている。本田和之社長は顧客のニーズを探り最適な有効活用を提案。不動産の現場から、生産緑地の将来活用など社会問題の解決にも取り組む。── 事業の概要について。本田 当社は商業施設やホテル、旅館の売買・賃貸仲介(テナントリーシング)を…

企業eye

社員の人間力を武器に5期連続増収を果たす投資用不動産会社――パートナーズ

クラウドソーシングを活用した動画制作やオンライン動画制作プラットフォームを提供――Crevo

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年8月号
[特集]
パナソニック新世紀

  • ・総論 家電事業でもB2Bでも根底に流れる「お役立ち」
  • ・樋口泰行(コネクティッドソリューションズ社社長)
  • ・B2Bに舵を切るパナソニック
  • ・パナソニックのDNA 家電事業の次の100年
  • ・本間哲朗(アプライアンス社社長)
  • ・パナソニックの家電を支えた“街の電気屋”の昨日・今日・明日
  • ・テスラ向け電池は量産へ 成長のカギ握る自動車事業
  • ・パナソニックとオリンピック・パラリンピック

[Special Interview]

 津賀一宏(パナソニック社長)

 変化し進化し続けることでパナソニックの未来を創る

[NEWS REPORT]

◆商品開発に続き環境対策で競い合うコンビニチェーン

◆サムスンを追撃できるか? ようやく船出する東芝メモリの前途

◆スバル・吉永泰之社長はなぜ「裸の王様」になったのか

◆「ニーハオトイレ」は遠い昔 中国を席巻するトイレ革命

[政知巡礼]

 木原誠二(衆議院議員)

 「政治が気合を持って、今のやり方を変えていく覚悟を」

ページ上部へ戻る